デジタルマーケティング
2018年11月20日
2018年11月20日
パーセプションチェンジ(認識変容)とは、広告業界において企業がユーザーの認知や意識を変えるために使用されてきた言葉です。顧客の行動や興味関心が多様化し、企業側の一方的な情報発信では態度変容が難しくなってきた昨今。顧客と継続的な良いコミュニケーションを行うためには、パーセプションチェンジの考え方を押さえ、ターゲットへ深く刺さる情報発信が必要です。ここではパーセプションチェンジの重要性について解説します。
パーセプションチェンジとは、広告業界において企業がユーザーの認知や意識を変えるために使用されてきた言葉です。
例えば、化粧品を扱うA社は20代女性に『最近よく聞く会社だが、歴史が浅く品質が心配(パーセプション)』と思われている状態にあり、ここから『A社はチャレンジ精神のある会社で、自分に最適な商品を提供してくれる会社』と意識を変化させたいとします。
例)化粧品メーカーA社:
■課題:品質に対する信頼性の低さ
■原因:社歴が浅く、企業・ブランドへの認知度が低い
■パーセプションチェンジ:「A社はチャレンジ精神のある会社で、自分に最適な商品を提供してくれる会社」と認識させたい
■解決の糸口:企業のチャレンジ精神の訴求
上記のように、ターゲットがもともと抱いていた会社に対する印象やサービス・製品を再定義し、新たな認識を植え付けることを「パーセプションチェンジ」といいます。
「パーセプションチェンジ」はターゲットの認識・意識変容の意味で、マーケティング用語として広く使われていますが、態度変容を変化させる場合も「パーセプションチェンジ」に含まれるケースもあります。
では、いざ自社のサービスを例に顧客のパーセプションチェンジを考える場合、どう進めていけばいいのでしょう? ここでは、パーセプションチェンジを考えるうえで、必ず押さえておきたい3つのポイントについて解説します。
ポイント1:現在の姿を正確に知る
まずは自社のサービス・製品について、お客様がどう思っているのかを知る必要があります。
つい社員間で意見を述べ合い、顧客の思いを推測しながら、簡易的に現在の自社の立ち位置を決めてしまうケースもよく耳にします。しかし、想定で設定した姿では、精度の高いパーセプションチェンジを描くことは難しいため、顧客へインタビューを行う、自社に関する市場調査を行うなどして、現在の自社の姿・立ち位置を明らかにしましょう。
ポイント2:理想の姿を言語化する
自社の現在の立ち位置を把握したうえで、次は、お客様に自社製品・サービスについて「〇〇〇と思ってほしい」「〇〇〇という印象を抱いてほしい」という理想の姿を決めます。
現在の姿を知ることと、理想の姿を言語化することは、同時に進めていくことも可能です。手順にこだわらず、やりやすい順番で進めてください。「現在の姿」と「理想の姿」を言語化することで、その間を埋める戦略が立てやすくなります。
ポイント3:理想の姿と現在の姿のギャップを埋めるコンテンツを用意する
「現在の姿」と「理想の姿」のギャップを埋める戦略として、必ずコンテンツが必要になります。
例えば・・・
■ターゲットの不安を安心に変えるためのコンテンツ
■ターゲットの疑問に答えるためのコンテンツ
■ターゲットの思い込みを覆すコンテンツ など
具体的には、ホワイトペーパー、コラム、セミナー、カタログ、動画など、制作するコンテンツは多岐にわたる可能性があります。その一つひとつの制作に対して、「パーセプションチェンジしてもらうためにこのコンテンツを作る=コンテンツの目的」が明確化し、ユーザーに深く刺さるコンテンツを生み出すことが出来ます。
またパーセプションチェンジをより強固に行うためにはパーセプションチェンジに寄与するコンテンツだけを考えるのではなく【Who=誰に】といったターゲット、及び【How=どのように】といった届ける手段まで設計をすることが重要です。これをTPCM戦略(※1)といいコンテンツを考える際の骨子とすることで関与者全員がベクトル合わせをすることができます。
※1:
TPCM戦略は株式会社電通のフレームワーク「TPCM」に則った手法です。
T=Target/P= Perception/C=Contents/M=Means
ちなみに、パーセプションチェンジを繰り返し、ユーザーに継続購入してもらったり他人に薦めてもらったり…という最終のゴールにたどりつかせるための全行程を可視化した図が『カスタマージャーニーマップ』となります。
パーセプションチェンジを実現させるために、マーケターや販促担当者(特にマーケティングオートメーション運用担当者)はどのようなコンテンツをどのようなメディアで届ければいいかを考えていくことになります。
つまり、ユーザーの心を動かすコンテンツを用意できるかどうかは、きちんとユーザーのパーセプションを捉えられているかどうかにかかっています。ユーザー心理に立ったときに、Before→Afterが一足飛びになっていないか。心理的変化がリアルにイメージできるかどうか。企業都合のパーセプションになっていないか。ユーザーのパーセプションを的確に描けるかどうかは担当者の腕が問われる部分です。
パーセプションチェンジを描くことは、自社のマーケティング戦略を可視化するうえでも重要な取り組みとなります。また、一度描いたパーセプションも、市場の変化や多様化するターゲットの行動をふまえ、タイミングをみて見直す必要があります。
大伸社ディライトでは、パーセプションチェンジからカスタマージャーニーマップの作成、必要となるコンテンツの企画制作など、一気通貫で企業のデジタルマーケティング推進をご支援しています。ぜひ以下でご紹介する関連コンテンツをご確認ください。
■マーケティング担当者に限らず継続的なコミュニケーションを行うための情報発信を行う全てのビジネスマン必見!このパーセプションチェンジの考え方を活かして作成するカスタマージャーニーマップの記事は下記ご覧ください。
BtoB向けのカスタマージャーニーマップの作り方を6ステップで解説
■パーセプションチェンジをもとにしたカスタマージャーニーマップを用いてユーザーの検討段階に応じたコンテンつの企画制作を行っています。パーセプションチェンジを活用した弊社サービスは下記ご覧ください。
運用型コンテンツ企画制作
■パーセプションチェンジを元にカスタマージャーニーマップを作成した他社事例をご紹介します。
WEBサイト解析とカスタマージャーニーマップの相乗効果!ユーザー目線のサイトでコンバージョン改善へ
大伸社ディライトでは長年にわたる豊富なBtoB案件へ対応実績に基づき、貴社に最適なマーケティング戦略をご支援させていただきます。ぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。
コンサルタント
荻田 勝也デジタルマーケティング領域における戦略策定から施策実行までのプロジェクトマネジメントを担当。 ビジネス成果の貢献に向けて、既存の枠に捉われない新たな枠組みや仕掛けを考え・実現していきます!