デジタルマーケティング
2018年11月20日
2018年12月20日
マーケティングオートメーション(MA)の運用が滞る原因として必ずあがるのが、『運用体制の未整備』です。運用体制が固まらないまま、マーケティングオートメーション(MA)の導入・運用がスタートしてしまうケースは決して少なくありません。今回は、マーケティングオートメーション(MA)の運用でお悩みのご担当者様へ向け、業種業態の異なる3社のマーケティングオートメーション(MA)運用体制パターンをご紹介します。ぜひ自社の現状と照らし合わせて、体制見直しのヒントを見つけてください!
『BtoBマーケティングオートメーション意識調査』(※エムタメ!調査)によると、「マーケティングに関連する業務で抱えている課題はなんですか?」という質問に対して「専門知識を持った担当がいない」が2位にあがっています。(※マーケティングオートメーション導入者 n=254回答)
マーケティングオートメーション(MA)運用のスタッフは、サイト運用チームから選ばれることがよくあります。
しかし、サイト運用のスキル・ノウハウだけでは対応しきれない業務(各種キャンペーンの立案・推進、リードナーチャリング施策の展開、マーケティングオートメーションツールの設定等)が多いため、サイト運用チームから選ばれたスタッフがすぐマーティングオートメーション(MA)の運用を行うのは困難です。
では、誰が担当すればいいのか? どんな運用チームがいいのか?
その答えは企業ごとに異なります。
以下、運用体制がまとまらない代表的な課題です。
マーケティングオートメーション(MA)の運用は、全社プロジェクトであることが大半です。そのため、社内を横断し主要部署内から選抜メンバーをアサインするケースも多いでしょう。
しかし、この“主要部署内からそれぞれ選抜”という考えが足かせとなり、なかなかプロジェクトが進まないという声も。通常、縦割り運営で部署間のつながりもない中、急きょ招集されたメンバーで全社プロジェクトとなるマーケティングオートメーション(MA)運用を推進するのは無理があります。
『スムーズな運用を実現するマーケティングオートメーション(MA)の推進体制とは?』でもお伝えしましたが、運用における必要な役割がそろっていないケースは少なくありません。しかし、少なくとも以下の役割を担う人材は確保すべきです。
■マーケティングオートメーション(MA)責任者:
自社のデジタルマーケティング施策立案~推進の立場にあり、マーケティングオートメーション(MA)の導入・運用を統括。運用計画の推進から、CRMデータ責任者との連携によりビジネスへの貢献度向上に対しても責任を持ちます。
■リードナーチャリングマネジャー:
デジタルマーケティング施策に基づき、リードナーチャリングシナリオ設計します。ペルソナの種類・数やキャンペーン数ごとに必要なシナリオを設計する必要があるため、自社のビジネスプロセスへの深い理解が求められます。
■ツール設定マネジャー:
⇒シナリオ設定、キャンペーン設定、メール配信等、マーケティングオートメーション(MA)ツールの設定・実務を担います。
■コンテンツプラン・制作を担う者、あるいはディレクション担当:
マーケティングオートメーション(MA)運用におけるカスタマージャーニーマップに基づき、必要となるコンテンツを制作(またはディレクション)します。
コンテンツ計画の立案・推進はもちろん、コンテンツ内容・質の維持にも責任を持ちます。
上記確保したい人材ですが、社内にマーケティング部やシステム部、Web制作チームなどがあれば比較的集めやすいものの、業種業態によりその限りではありません。この領域を担う人材が会社にいない場合、体制づくりはますます難しくなります。
企業規模によらずマーケテイングオートメーション(MA)の運用担当者は2~3人という企業が大半です。そして、その2~3人も通常業務に加えて運用推進しているケースが非常に多く、『推進時間の確保』が常に課題となります。
また、社内でのみ運用体制を固めた場合、担当者全員の業務の繁忙期が重なるため、推進計画が滞る原因にもなります。
運用体制については、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入検討時に合わせて計画するのがベストですが、既に運用がスタートしている場合はそうも言っていられません。欠けている役割やスキルをどうやって補うか検討しましょう。
体制づくりに迷ったら、他社の事例を参考にしてみましょう。
以下、業種・企業規模が異なる3社のマーケティングオートメーション(MA)運用体制とそのポイントについてご紹介します。
CASE01. 社内外とも多数の専門スタッフを揃えたプレミアム運用パターン
■業種・業態:ITソリューション開発
■企業規模:500人強
■運用主体:社内マーケティング部
■運用スタッフ:社内・社外 計12名
●社内 計6名:マーケティング責任者/リードナーチャリングマネジャー/コンテンツマネジャー/アナリスト/Webサイト制作者
●社外 計6名:MAツール設定マネジャー/MAコンテンツ制作・運用マネジャー/アナリスト/ライター
⇒ こちらでは、社内マーケティング部が運用主体となりマーケティングオートメーション(MA)運用、オウンドメディア運用、SEO施策、広告展開と多岐にわたるデジタルマーケティング施策を展開しています。
社内関与スタッフの多さに加え、社外からも同等の人員を投入。社内で骨子となるマーケティングプランを立案し、コンテンツ内容に応じて社内・社外の両軸で制作にあたり、定期的な全体ミーティングを通じて、施策のPDCAに取り組んでいます。
CASE02:メールマーケティング中心のミニマム運用パターン
■業種・業態:インテリア関連商材取扱い
■企業規模:~100人
■運用主体:社内企画部
■運用スタッフ:社内・社外 計6名
●社内 計2名:マーケティング責任者/MAツール設定マネジャー/リードナーチャリングマネジャー/Webサイト制作者
●社外 計4名:デジタルマーケティングアドバイザー/MAコンテンツ制作・運用マネジャー/アナリスト/ライター
⇒ 社内ご担当者2名で、主に『メールマーケティング』施策に注力されています。
月2回のメルマガ配信では新着コラムやピックアップ商品をご案内し、見込み客との接点確保・維持~サイト誘導を行っています。
外部にデジタルマーケティングアドバイザーを配置。現在のマーケティング施策を踏まえ、新規コンテンツの企画やマーケティングオートメーション(MA)ツールの特性を生かした施策強化などのアドバイスを受けています。
CASE03:コンテンツ制作を外部委託で推進強化パターン
■業種・業態:企画・制作
■企業規模:~100人
■運用主体:社内マーケティング部
■運用スタッフ:社内・社外 計8名
●社内 計4名:マーケティング責任者/MAツール設定マネジャー/リードナーチャリングマネジャー/MAコンテンツ制作・運用マネジャー
●社外 計4名:デジタルマーケティングアドバイザー/MAコンテンツ制作・運用マネジャー/Webサイト制作者/ライター
⇒マーケティングオートメーション(MA)ツールのリプレイスを終え、新たな体制を固めたばかりのお客様です。
デジタルマーケティング施策については外部アドバイザーの指導のもと社内にて立案。マーケティングオートメーション(MA)におけるナーチャリングシナリオ作り、ツール設定、コンテンツ立案なども社内スタッフが担いますが、ブログやホワイトペーパー等各種コンテンツの制作は外部発注することで運用推進を図っています。
いかがですか?他社の事例が、体制づくりのヒントになりそうでしょうか?
運用体制の規模は、施策規模に比例します。
自社のマーケティング施策を基準に、どのくらいの役割・スキル(=体制)がベストかイメージしてみましょう。
ご紹介した3社は運用スタッフ数も取り組み施策の規模もさまざまですが、いずれのケースでも外部リソースをうまく活用しています。すべて内製化するのは理想ですが、業務の進行やスキルなどを考えると現実的には難しいでしょう。加えて、運用体制をすべて社内スタッフでかためた場合、個々の転勤や異動、退職などがリスクとなる可能性も否定できません。
必要なスキルの補填や継続的なコンテンツ配信のためにも、外部リソースをパートナーとし、長期的かつスムーズなマーケティングオートメーション(MA)の運用を目指しましょう。
大伸社ではマーケティングオートメーション(MA)のスムーズな運用を実現する体制づくりからご支援させていただきます。運用体制でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください!
WEBディレクター / コンテンツプランナー
横山 由美WEB上でのリード獲得や集客に向けたコンテンツ企画立案~制作ディレクションまでを担当。キーワード設計によるコンテンツSEOやコンテンツマーケティングなどが最近の主な担当案件です。WEB解析士/GAIQ 保有