デジタルマーケティング
2021年04月28日
2021年08月11日
「コロナの影響で直接的な営業アプローチが難しく、リード獲得ができていない」
営業担当としてお客様とお話する中で、最も多いのがこの手のご相談です。コロナによって営業マンを取り巻く環境は一変し、営業アプローチにも大きな変化が生まれています。
そんな課題に対する打ち手の一つとして挙げられるのが、「営業活動のデジタル化」です。この記事では営業アプローチにお悩みの企業ご担当者様向けに、非対面での営業アプローチの考え方をご紹介します。
アフターコロナの世界で、ビジネスを取り巻く環境も大きく変わりました。以前までは直接訪問して商談や会議をすることが多かった会社でも、テレワークの普及によりオンライン会議を使ったコミュニケーションに変わったという会社は多いです。この結果、製品/サービスの情報収集はWEBサイトが主流になっています。
このような環境下では、営業活動も変容していきます。これまでの対面営業だけでなく、デジタル上で顧客とのリレーションを築くことができる会社こそお客様から選ばれやすくなってきています。つまり、新規リードの獲得や既存顧客とのリレーションを対面で行っていた会社にとっては、速やかに営業活動をデジタルシフトすることが求められていると言えます。
対面営業で成果が出にくくなっている背景としては、営業とお客様との接点がリアルの場で持ちにくくなったことです。例えば、主な新規リードの獲得の場がリアルな会食の場やゴルフだった場合を考えてみましょう。コンサル会社や金融など、主に経営者層をターゲットにしている場合があてはまります。会食やゴルフの場で新たな出会いを作るチャンスは、コロナ前とは比較にならないほど減っています。今後徐々に回復していく可能性もありますが、完全に元に戻るまでにはかなり時間がかかるでしょう。このようなリアルの営業手法だけに固執してしまった場合、アフターコロナではビジネスチャンスが激減させてしまうことになります。
またもう一つの背景として、テレワークやオンライン面談が大きく普及したことも挙げられます。これまでは商談創出がそれほど難しくなかった状況でも、アフターコロナでは営業効率が落ちている場合があります。
得意先を回るルート営業の場合、今までは定期的に客先に訪問し、新製品が出るたびにそれを紹介することができました。しかしアフターコロナで事務的なやりとりは極力オフラインで実施する会社が増えていますし、直接の面談を禁止する企業も珍しくありません。こうした状況から商談機会が自然と減ってしまい、売上に直結することが考えられます。また、飛び込み営業などの場合も同様です。直接面談のハードルが上がっているうえに、テレワークでキーマンとなる担当者が不在の場合も多いので、商談に繋がる可能性が少なくなります。
では、より効率よくリードを獲得するためのデジタルシフトとは、どのような取り組みを指しているのでしょうか。いくつか、ツールとしてご紹介します。
マーケティング・オートメーション(以下MA)は、自動でメールを配信したりWEBサイト上のユーザーの行動を追ったりすることに活用できます。例えばルート営業がこれまで通り定期的に新製品やキャンペーンの情報を届けられなくなった場合など、MAの機能を使ってその働きを一部補完するという考え方ができます。
代表的なもの:Marketo https://jp.marketo.com/
顧客関係管理(以下CRM)は、顧客との最適なリレーション構築を目的として顧客情報を管理するシステムです。CRMを活用するメリットとしては、顧客の情報を蓄積させておくことで営業活動やマーケティング活動に活かすことができます。
例としては、営業マンがそれぞれで名刺を保持しており思い思いのアプローチを展開している場合などに有効です。デジタルシフトの利点として、属人的な営業から組織的な営業にシフトチェンジできることも挙げられます。顧客のニーズはどんどん変化が早くなっています。ニーズを正確かつ効率的に掴むためには、このような組織営業へのシフトが必要といえます。
代表的なもの:kintone https://kintone.cybozu.co.jp/
営業支援システム(以下SFA)は、営業活動の効率化や組織全体の営業活動可視化のために活用できます。
営業が商談を開始してから契約に至るまでの進捗状況を可視化することで、活動の管理を行うことができます。会社や部門全体の目標数値に対してどれくらいの案件予材があるのか、目標達成のためにはどの程度の予材が必要なのかをノウハウデータとして蓄積していくことができます。
メリットとしては上述のCRMと同様に、組織的な営業が可能となる点です。営業マンそれぞれが各々の目標に対して案件を管理している状況を脱却するための一助になります。SFAはCRMと混同されることがありますが、広義としてはCRMの中にSFAが含まれます。CRMは顧客軸で管理していくのに対して、SFAは細分化して各案件を軸に管理をしていきます。
代表的なもの:Salesforce https://www.salesforce.com/jp/
ここまでご紹介したような施策はあくまで点の施策です。点を面にしていくためには、デジタルマーケティングというものを一連の流れになぞらえて実践していく必要があります。
デジタルマーケティングを成功させていくためのポイントとしては、役割分担を明確にすることです。デジタルマーケティングで貢献できる部分とできない部分で役割を分けることで、それぞれの役割がより明確になります。上記イラストでは、顧客の検討度合に応じてマーケティング担当と営業担当のそれぞれが担う領域を、フェーズごとに分けています。
デジタルマーケティングが大きく寄与できる部分は、顧客が会社や製品を認知し、検討に至るまでの部分です。デジタル上での新しいお客様との出会いは、コロナをきっかけに大きく一般化しました。例えばウェビナーが広がったことによって、離れた地域の人に自社のことを知ってもらったり、製品のPRをすることのハードルが下がりました。また、webサイトを活用して自社PRを行い、最終的には具体的な問い合わせの獲得を目指すマーケティングも多くの会社がここ1年間の間に新たな取り組みとして初めています。
逆に飛び込み営業やルート営業などの対面営業にのみ依存してしまうことは、コロナ禍においては効率を下げてしまうことになります。理由は上述の通り、テレワークが普及してそもそもオフィスへと出勤しない人が増えたことです。テレワークが普及した分、WEB上で情報収集をする担当者の割合が多くなっています。
このようにデジタルを使った営業活動が主流となっていく中ですが、リアルで商談をする営業マンが必要なくなるというわけではありません。デジタルマーケティングで創出したリードを契約まで導くのは、生身の営業マンでなければ難しいです。いくら最新のセールステックを駆使しても、対面のコミュニケーションから生の声を聞いて提案することはできません。今後、営業マンの価値はこの部分に集約していくと考えられます。
すなわち、新製品の定期的な情報発信や製品の使い方サポートなどデジタルで代替できるものに関しては積極的にデジタルシフトを進め、クロージング段階など営業マンにしかできないことは営業マンが行うといった、時世に合わせた経営資源の投下が必要になります。
ここまで、当社に寄せられることも多い「営業活動のデジタルシフト」について書いてきました。当然ですが、ただ一概に認知から比較検討まではデジタルの方が強く、それ以降の局面になると生身の営業マンが必要というわけではありません。
今回のブログでは、主に製造業の会社様をイメージして記載をしてきました。しかしながら、適切なデジタルマーケティングというのはそれぞれの会社に対して存在しており、業種や地域、業界シェアなどで大きく変わります。
当社でも様々な会社様のマーケティング課題の解決事例があります。下記は、非対面営業に関する打ち手の一例ですので、是非ご参照ください。