2022年10月31日
マーケティング活動が必須となった今、活動が進めば進むほど次の一手に手詰まりを感じているというご担当者も多いようです。
今回の記事は、そんなときこそ改めて振り返ってみたい「自社の強み」の見つけ方についてご紹介しています。自社の強みはあらゆるマーケティング活動の核となる要素です。この機会にぜひ一度、自社の強みを再チェックし、推進中の施策とずれていないか改めて確認してみてください。
マーケティング活動はより活発化しています。コンテンツマーケティング、リードジェネレーション、メールナーチャリングなど各種オンライン施策はもちろん、特にBtoBマーケティングにおいてはイベント出展といったオフライン施策も活発化し、これらオンとオフをつなぐマーティング活動がより重要性を増しています。
もちろん、各種施策が並行して進むことで、そこから得られるデータや行うべき改善策も膨大に。中には事業部ごと、チームごとなど、施策と運用チームが複数存在するケースも多く、関連各所から上がってくる数値データを確認、これらを横断・俯瞰しながらスピーディに分析~改善することが求められるなど、マーケティング活動は拡充すればするほど、その運用は複雑化・高度化していきます。
こうしたマーケティング活動を統括している立場のご担当者から最近よく聞かれるのが、「施策の幅が広がれば広がるほどやるべきことが増え続け、結果、施策の核となる“自社の強み”を見失いそうになる…」という声。つい目先の改善策に追われる中、俯瞰して自社を見つめる視点が薄らいでしまうようです。
マーケティングの第一歩は、自社の強みを知ることから始まります。
しかし、コロナ禍のような大きな社会的変化が起こると、必要とされるサービス・商品自体が変わってしまうことも。そのため、自社の強みは時勢とともに変化する可能性があることを認識しておく必要があります。
まずは、自社の強みを見つけるスタンダードな手法をお伝えします。
3C分析とは、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の3つの“C”を指し、これらを分析することで事業の方向性を決めることができます。
■顧客・市場を知る
顧客の『属性』『特徴』『行動』などを分析し、具体的な顧客イメージを固めましょう。
市場分析では、特定の業界を分析する『ミクロ分析』、景気や社会の変化を見極める『市場分析』を行うようにしましょう。
■競合他社を知る
競合他社の『実績』『商品サービスの特性』『シェアの状況』など、総合的に分析しましょう。
『販売ルート』や『販売戦略』も確認できると、より理解が深まります。
競合他社を知ることで、自社の戦略の方向性を決めやすくなります。
■自社を知る
自社を知るには客観的データを活用します。
『自社商品』『サービス』の詳細に加え、『人材』『物資』『資金』『データ』などのリソース、『強み』『弱み』も分析しましょう。
SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を知ることです。3C分析と似ている側面もありますが、自社の内部要因だけでなく、外部要因も合わせて分析し、営業戦略を立案する点がポイントです。
■強みを知る
自社および自社商品の長所・特長を指し、内部環境のプラス要素となります。
■弱みを知る
自社および自社商品の短所を指し、内部環境のマイナス要素となります。
■機会を知る
社会や市場など環境の変化により働く、自社および自社商品への内部環境のプラス要素となります。
■脅威を知る
社会や市場など環境の変化により自社および自社商品へ悪影響を及ぼす外部環境のマイナス要素となります。
SWOT分析を活用することで、既存サービス・製品の改善点を見つけることができるほか、今後メニュー化を検討している新規サービス・製品などの将来的なリスクを抽出することも可能です。
3C分析やSWOT分析は自社を知るためのスタンダードな分析手法のため、既に実施済みの企業が多いでしょう。しかし、中には実施から経年し、内容についてしばらく見直しをしていないという企業も少なくありません。市場が常に変化し続ける中、これら外的要因によって“自社の強み”も変化するものだと知ることは重要です。この機会に今一度、確認してみましょう。
あわせて、大伸社ディライトがお客様のご支援において実施している『強みの見つけ方』をご紹介します。3C分析やSWOT分析にも通じますが、これらを行ううえでの具体的なフローとしてもご参考ください。
お客様のサービス・商品を利用・購入してほしい人物像を具体化(=ペルソナ設定)します。
ペルソナの設定にあたっては、実際の顧客様へインタビューやヒアリングを行い、ここで得た情報をもとに、会社の業種、所属している部署、担当している仕事と抱えている課題、業務上のゴールを達成するために行っていること、その人のパーソナリティや考え方など人物像を細かく設定します。(下記表:資料イメージ)
ペルソナ設定により、プロジェクトメンバー間でも具体的な顧客像を共有することができ、「この施策はペルソナにとって有益か?」「ペルソナに対してフックとなる施策か?」等、ペルソナの気持ちを起点に施策の良しあしを検討することができるようになります。
自社の強みをワンシートにまとめる手法が、「サービスステートメント」の作成です。プロジェクトメンバーの皆さまとのワークショップにより、「自社の強み」を確認・整理していきます。
ワークショップでは、3C分析でご紹介したような自社に関する客観的なデータを前提に、プロジェクトメンバーの皆さまに自由に発言してもらいながら最適解を探り合意形成を図ります。また、弊社のような第三者の視点・意見を取り入れることで、自社にとって都合の良い結果だけで終わらない、現実に即した答えを導き出すことができます。(下記表:資料イメージ)
例のように議論の結果による『自社の強み』3つとビジネス上の『競合先』3社を挙げ、これらを踏まえたうえで『ターゲット像』を明らかにします。ここでは、ペルソナのような一人の特定の人物像を掘り下げるのではなく、ターゲットゾーンを明確にするものと捉えてください。
戦うべき相手と戦うポイントを明確にする手法が、「競争戦略」です。
こちらは先にご紹介した【サービスステートメント】の「競合先」を抽出するうえで活用していただきたいフレームワークといえます。競争相手(競合先)との比較表を作成することで、自社の強みを明確化し勝負すべきポイントを洗い出します。
まず、上記表の「横軸=競合先」を決めます。
この際、重要なことは“顧客目線で決める”こと。自社が競合だと思っている先が、顧客にとって本当に競合と位置付けられているか、ここは顧客接点を持つメンバーの皆様としっかり議論し見極めていきましょう。
競合先がピックアップできたら、左から順に「強者⇒弱者」の順に配置します。この際も顧客が選定する順番を想定することで、より顧客心理を創造・理解するよう心がけます。
次に「横軸=選択要因」を列記します。
機能等だけでなく、「顧客が選定先を評価する要因」をイメージしましょう。
例えば、「対応スビートがはやい」「カスタマーサービスが充実」「提案の幅が広い」など、顧客にとっての価値、顧客にもたらす効用などが候補となります。
このような手順で表を埋めた結果、自社で「◎」がつく箇所があれば、そこを強みとして集中的にアピールします。また、差があまり見られない場合、「○」を「◎」にレベルアップさせるために何を行うべきかを検討し差別化ポイントを作るよう動きます。
<関連コラム>
競争戦略立案のフレームワーク 〜競争戦略の戦略シート〜
CASE.1 富国生命保険相互会社様 様
ネット保険の台頭などに対応するためデジタルマーケティング強化に着手されることに。大伸社ディライトにて戦略設計(ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ作成)から、特設サイトの構築(SEO対策、コンテンツマーケティング)、マーケティングオートメーション運用計画まで、トータルでご支援。サイトリリース6ヶ月後には自然検索による来訪者数は5.6倍、コラム来訪者数は10.8倍、サイト経由の資料請求は3.6倍を実現しました。
・富国生命保険相互会社様の事例記事はこちら
CASE.2 大阪印刷インキ製造株式会社様
サイトリニューアルの方向性を見出す場づくりとして、「自社の強みを明らかにするワークショップ」をご提案、開催。10数名の社員の皆様にお集まりいただき、各自が思う“自社の強み”について議論、今後の取り組みの鍵となるキーワードを抽出しました。お客様にとっても、サイトリニューアルという大きな取り組みを前に改めて自分たちの価値を知る良い機会となったとのこと。取り組みの詳細は以下、事例紹介にてご覧ください。
・大阪印刷インキ製造株式会社様の事例記事はこちら
自社の強みを明らかにすることは、すべてのマーケティングにおいて必須といえます。
ただ、目の前の施策の推進やそこから得られる改善に手を取られるあまり、時勢の変化や顧客の変化とともに見直すべき自社の強みが置き去りのまま、という企業は実際に少なくありません。
この機会に、今回ご紹介しました自社の強みの見つけ方を参考にしながら、「私たちの強みとは何か」を顧客・市場の視点も踏まえ改めて見直してみてください。
大伸社ディライトでは「強みの見つけ方」のサポートはもちろん、その先の施策実施まで一気通貫にてご支援いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
WEBディレクター / コンテンツプランナー
横山 由美WEB上でのリード獲得や集客に向けたコンテンツ企画立案~制作ディレクションまでを担当。キーワード設計によるコンテンツSEOやコンテンツマーケティングなどが最近の主な担当案件です。WEB解析士/GAIQ 保有