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今、マーケターに求められる視点とは【対談記事 #3】大伸社ディライト顧問 小川共和氏 × 執行役員 矢谷直彦

2019年10月20日

どんなコンテンツがあれば集客につながるのか。どう改善していけばよりCVが獲得できるのか。マーケティング担当者にとって「コンテンツ」にまつわる悩みは避けては通れないもの。そこで元 株式会社マルケト顧問であり弊社顧問である小川共和氏と執行役員矢谷が、市況や実務経験をふまえ、今マーケティングで成果を出すためのコンテンツとは?をテーマに対談を行いました。

右)小川 共和
元電通本社マーケティングソリューション局次長・電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)専務取締役、現マーケティングコンサルティングの小川事務所代表、元マルケト顧問、現大伸社ディライト顧問。自著に「マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方(クロスメディア・マーケティング社)」。

左)矢谷 直彦
大伸社ディライト 執行役員。クライアントのマーケティング活動実践・推進を支援、一貫してマーケティング/営業に携わる。1994年〜大手通信販売会社にて自社新規客獲得~育成、LTVに基づくCRM戦略立案~PDCAを担当。2000年〜提案側へ転身。ITソフト開発ベンダー、外資系コンサルティング、ビジネス系Webサイト構築事業支援会社を経て、2008年より大伸社、2017年2月より現役職。

マーケティングで成果を出すには?をテーマに弊社顧問の小川共和氏と執行役員矢谷による対談をお送りしている本連載。エンドユーザーの心理変化を促すコンテンツをつくり、その効果検証を通じて成果を出していくことが求められているなか、「マーケティングオートメーションの活用」が話題になりました。今回は、その続きともなる「マーケターに求められる視点」についての話です。

対談記事#1 マーケティングで成果を出すためのコンテンツ企画とは
対談記事#2 マーケティングオートメーション活用の落とし穴とは

 

マーケターに必要なのは、全体を俯瞰してシナリオを描く力

矢谷:マーケティングオートメーションの活用は、自社だけではなかなかうまく活用できないケースが多いという話がありましたが、一部または全面的に外部の専門家にサポートを委託する場合、どんなことに留意すべきでしょうか??

小川:必要なのは「マーケティングパートナー」だと思います。企業内に優れたマーケティング経験者がいない場合、、マーケティング戦略から実際の施策、コンテンツづくりまで含めて一緒に行える先が望ましいです。

矢谷:「マーケティングパートナー」とは、具体的にはどんなイメージですか?

小川:細かい数字を見ながら課題の発見ができ、かつ全体を俯瞰して大きなシナリオも描けて、そのうえで良いコンテンツを考えられる人ですね。

矢谷:ツールベンダーに依存した結果「このツールで今自分たちが理解できていることをやろう」と開始はしたもののマーケティングオートメーションが単にステップメールの自動実行になっている…という話は商談先でもよく聞きます。

小川:マーケティングオートメーションではなく、「メールマーケティングオートメーション」になっているんですよね。別にステップメールをするのがダメだと言っているわけではないのですが、マーケティングオートメーションって、もっと大きな可能性を持っているはずなので、その意味ではすごく狭い領域になってしまっていますよね。

矢谷:マーケティングオートメーションの守備範囲にこだわらずに、大きなシナリオを描けるマーケティングパートナーが必要だということですね。

小川:そうです。大きなシナリオを描くという点についてですが、マーケターはPDCAのCだけやっているよう人がまだまだ多いと感じています。数字だけを見て「今何が必要か」という課題の抽出はできるけれど、その課題を解決する施策なり打ち手の策定まではハードルがある…。

矢谷:プランニングやアクションを実行するなら、全体を俯瞰してエンドユーザー一人ひとりの気持ちが見えていないと本質的な解決策まで見えてこないということですよね。

小川:ええ。具体的なアクションは、より大きな視点がないと考えることが難しい。たとえばメールの開封率が低ければ差出人や件名を工夫するといった改善をする必要がありますが、それでもだめなら、そもそも配信ターゲットを抜本的に見直すとか、デジタル施策では届かない人の可能性がある時は、リアルのイベントをするとか、おもてなし心溢れた紙のDMを送ることかもしれない。お金があればテレビを使うこともありでしょう。勿論設計の基本となっているカスタマージャーニーが違っていたことも考えられます。

矢谷:なるほど。コミュニケーション全体で捉えないとたどり着かない改善策もありますからね。

マーケターが施策を考える際に陥りがちな思考のクセ

小川:俯瞰的に考えず、Google Analyticsなどに表れる数字だけを見てしまうのは、デジタルマーケター特有の思考のクセかもしれません。

矢谷:私も、企業のマーケターの方で数値のみで施策を語る印象の方にお会いすることがあります。「目標を達成するにはここの数値を○%UPする必要があります」と、ロジカルではあるのですが、一方でそのための施策や打ち手は「守備範囲外」だと切り離している印象です。

小川:数値って論理的でとてもわかりやすいので「この数字が低いから上げなきゃいけない」と考えるのはわかりますが、「じゃあ上げるためにはどんな打ち手が必要か」というときに、数値しか見ていないと表層的な打ち手しか出づらくなるんですよ。

矢谷:そうですね。特定のユーザーにしぼりこんでメールを送る、という打ち手を選ぶにしても、エンドユーザーが行動に移る前の“心理の変化”まで突っ込んで考えておかないと、ユーザーはなかなか期待通りのアクションはしてくれないという…。

矢谷:思考のクセというと、もうひとつ…クライアントにもよく言うことですが、「自分たちを客観視する」というのも意外とできていないことですよね。現に自社についても「そこって外側から見るとそんなに魅力があるんだ」と感じることが結構あったりします。

小川:まあ、自分を客観視するというのは難しいものです。どんなに優秀なマーケターでも自分自身が生み出した商品ってなかなか客観視できないんです。

矢谷:そこには自分の思い入れや夢、一緒にやった仲間の知恵や汗まで全部詰まっているわけで…。それを、クールに「これはダメ、ここまでのレベルでしかない」とはなかなか思えないし、言えないですよね(笑)

小川:そう。だからどうしても過大評価してしまう。でも実はほとんどの場合、それが失敗を生んでいるんです。マーケティングが失敗する原因の80%は自らの商品力の過大評価にあると言われているんです。

矢谷:「エンドユーザー視点」の大切さは、小川顧問もよくおっしゃっていますよね。企業目線ではなく、エンドユーザーから見て自分の商品ないし自分がやろうとしていることがどう映っているのか、そういう視点で見ることができないとマーケティングは失敗する、と。

小川:結局、決めるのはエンドユーザーですからね。企業側の目線で見ると、相手が目の前にいるので、自社とエンドユーザーの関係だけを考えるんです。

矢谷:でもエンドユーザー側から見ると自社はたくさんの選択肢のひとつにすぎないという…。

小川:そうなんです。これって当たり前のことなんですが、どこの企業もほとんど意識できていないのが現状です。競合までは見えていませんから。

矢谷:マーケターにとっても難しいことなのでしょうか?

小川:マーケターだからこそ、自分のやっていることが相手側から見てどう見えているのか、何が良くて何が悪いのかという発想にどうしてもなりにくいんですよ。

矢谷:といいますと?

小川:例えば運用型広告の場合、最初のインプレッションがあって、クリックされて、コンバージョン…というように、見込客が順番に動いていくイメージを描きますよね。それぞれの数値を順番に見ているだけでは、エンドユーザー側の視点で見ているとはいえないと思います。

矢谷:なるほど。マーケティングオートメーションも同じですね。一定の期間でどれだけのユーザーが「リード」「ホットリード」「商談」というそれぞれの“箱”に流入して(=フロー)、にどれだけのユーザーが残留して(=残高)…という具合に、その数値だけを追ってしまう。工場の工程管理をしているのと同じ発想ですね。

小川:そう。自社とエンドユーザーしか存在せず、自社とエンドユーザーの関係だけを数字で追っています。エンドユーザー側の目線では考えられていないケースが多いんです。

矢谷:先程も話に出た「数字だけを見ているマーケター」のことですね。結局、ユーザーの行動結果をベースにコンテンツをつくろうとしても、心理をとらえていない分、上っ面の表層的なコンテンツにしかならない。

小川:(マスを含めた)伝統的マーケティングでのマーケターの間ではコンテンツの良し悪しで10億20億が右に行ったり左に行ったりするわけですよ。どれだけ良いコンテンツを作れるかがすべてなので、そこへの執念ってすさまじいものがあるんですが、デジタルマーケティングの業界ではそういう温度感を感じることは少ないように思います。

矢谷:改善策といわれるほとんどのケースは、数字を見て少し改善している…というレベルにとどまっているかもしれません。だからこそ、クライアントのビジネス、マーケティング担当者をしっかりサポートし、かつ、マーケティングを俯瞰してコンテンツの企画・制作にも反映していくことは非常に意味のあることだと考えています。

(対談記事#4「力のあるコンテンツを生み出すには」に続く)

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