デジタルマーケティング
2019年01月12日
2019年01月14日
マーケティングオートメーション(MA)を運用していくことは、One to Oneマーケティングを実践していくこと。適切なスコアリングを行い、リードナーチャリングしていくには、ユーザー一人ひとりの興味関心・検討段階にあわせて別々のコンテンツを用意していく必要があります。特にリード獲得=顧客情報を取得するための手段として、ホワイトペーパーは数多く用意しておきたいところ。ここでは、ホワイトペーパーを用意していく上で、アイデアを出すための切り口をご紹介します。
まず一つめは、自社製品に関する技術やサービスのノウハウを情報提供する読み物タイプのホワイトペーパーです。どういうノウハウなのか?を単に紹介するだけでなく、なぜ今それが注目されているのか、顧客にとってどういう必然性があるかを説明し、それらがどういう仕組みなのか、どういうプロセスで進められるのか、、など詳細を解説します。
当該分野においてプロフェッショナルとしての知見があるということをアピールできます。自社への信頼値・期待値を向上させることで、なにか相談事が発生した際に想起してもらいやすくなるという狙いが期待できます。
専門的な知識と十分な情報量が求められるため、作成の難易度が高いのがネックです。また、詳細を説明しすぎるあまり、ネタばらしとなるような内容まで記載してしまうと、ホワイトペーパーの情報だけで満足されてしまう(=案件の相談に発展しにくくなる)ため、注意が必要です。
二つめは、思考整理に役立てたり、資料作成の時間短縮のためのテンプレート付きのホワイトペーパーです。プロジェクトを管理しやすくするタスクリストやスケジュール表、アイデアを出すためのフレームワークなど…自社サービスの内容につなげやすいテーマでテンプレートを用意します。
実用性がある資料という印象を与えやすいため、比較的ダウンロードされやすいのではと考えます。また、自社ですでに実践しているものをテンプレート化する場合は制作の手間があまりかかりません。
テンプレート化するにあたっては、誰もが活用できるフォーマットである必要があるため、ホワイトペーパー作成向けにゼロから創作するのは時間を要してしまいます。また、先述の「ノウハウ提供読本」と同様、ダウンロードだけされて満足されないように、テンプレートをダウンロードしてもらうことが自社サービスを知ってもらう(もしくは理解されるためのきっかけとなる)よう、そもそもこのホワイトペーパーでユーザーをどうさせたいか?の設計が必要です。
問題がないかどうか。ヌケモレはないか。多面的な観点で考えられているか…などを確認するためのチェックシートをホワイトペーパーにするパターンです。クライアントの課題を発見するときの要領で、プロフェッショナルとしての気づきとなる部分をチェック項目にすることでシートを作成します。
簡易診断ツールのように試してみたくなるという点で、ついダウンロードしてみたくなるコンテンツの一つです。また、「このチェックシートの観点をもっている企業であればサービスの精度も高いのでは」という印象をもってもらえる可能性があります。
2)のテンプレートと同様、チェックシートのダウンロードが自社サービスを知るきっかけになるようにホワイトペーパーの構成を工夫するなど、そもそもこのホワイトペーパーでユーザーをどうさせたいか?の設計が必要です。
普段営業資料などで使用している導入実績の事例をまとめた資料も、ホワイトペーパーとして活用することができます。企業によって何を記載するかは変わりますが、どのような製品・サービス・施策を提供したか以外に、どのような課題があったのか?といった導入背景を記載しておくと、読み手により自分ごととしてとらえてもらいやすくなります。製品やサービスのカテゴリごとに資料を分けるケースもあります。
実績を開示することで説得力が出るため、読み手にとっての上申材料になりえます。また、検討者にとって購入経験者の声は最大の後押しとなるため、比較検討段階においては効果が高いといえます。
ただ事例内容を並べるのではなく、なぜこの事例を紹介したいか?何を横展開したいのか?という意図をきちんと汲んでおくことが重要です。どういう顧客にどういう製品・サービスを知ってもらいためにどのような事例を紹介するのか?を検討しておかないと、ねらった顧客に対してアプローチすることは困難です。また、掲載にあたっては当然のことながらクライアントから事前に掲載許可をとっておく必要があります。
マーケティングオートメーションの運用で見込客をホットリードにしていくために、コンテンツの量は絶対数必要ですが、消費者心理を動かすためには同時にコンテンツの企画の質も求められます。そのためにはコンテンツの要件を決めることが重要です。すなわち、どんな人に/どうなってもらうために/どのような体験をしてもらうのかということ。ここが固まらないとホワイトペーパー作成はブレてしまいます。コンテンツの質と量、その両方を担保するよう意識することが重要です。
CXデザイン部 次長
古本 真己ユーザーヒアリングを通じて、Web/冊子/動画などジャンルを問わずコンテンツの企画・構成・編集までを行うコンテンツ企画制作ディレクター。 近年はマーケティングファネル上の課題を抽出し、リード獲得からリード育成まで全体を俯瞰して戦略を立案、施策の実施、成果検証まで一貫して担当。PJT全体をプロデュースから運営・ディレクションまでを担うPMとして参画させていただくことが多いです。