デジタルマーケティング
2018年12月18日
2018年12月17日
新規顧客や質の高い見込み客育成のために、リードジェネレーションは重要です。しかし、「リードジェネレーションを行いたいが方法がわからない」という方が多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、リードジェネレーションの定義を復習し、オフラインとオンラインのアプローチ法、実施ポイントや具体的な手法、さらには事例を2件お伝えします。
リードジェネレーションが効率的に行えるマーケティングオートメーション(MA)ツールの機能についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
リードジェネレーションとは、見込み客を生み出し、育成を経て獲得するためのマーケティング活動です。英語で「lead=リード」は「見込み客」、「generation=ジェネレーション」は「創出・獲得」という意味があります。
リードジェネレーションを行う目的は、自社の商品やサービスに関心を持つ見込み客を発掘し、獲得するためです。発掘する手法として、テレアポ、展示会の名刺交換、Web広告、マーケティングオートメーション(MA)の活用などが挙げられます。
自社商品が万人に必要とされる場合は、マスマーケティングを用いて広くアプローチすることもあります。しかし、ターゲット層が特定された商品サービスを販売するのなら、リードジェネレーションが必ず必要となるでしょう。
質の高いリードを育成するためには、リードジェネレーションを行った後、見込み客を育てるリードナーチャリング、そして選別するリードクオリフィケーションが重要です。
リードジェネレーションの時点では、受注確度が高いリードや低いリードが混じっていますが、リードクオリフィケーションの段階では受注確度の高い見込み客にターゲットを絞り、アプローチをかけます。
3つの一連の流れは「デマンドジェネレーション」、つまり「営業案件の創出」とも呼ばれ、購入やリピーター、ファンにつながる質の高いリード育成に重要なステップです。
オフラインとオンラインのリードジェネレーションのアプローチ方法を解説します。
オフラインでは、イベント・展示会出展、セミナー開催、営業活動による名刺交換が、リードジェネレーションのアプローチ方法として挙げられます。
イベント・展示会ではテーマやターゲットを絞っているため、自社のサービスや商品に関心の高い見込み客と出会える可能性があるのが特徴です。会場で収集した名刺がそのままリード情報となります。
顔を合わせているのでフォローもしやすく、イベントや展示会の終了後もアポを取りやすいでしょう。
自社が求める見込み客に向けたセミナーを開催することで、質の高いリード情報を収集できます。さらに、参加費もセミナー内容に応じて無料・有料と自由に設定でき、直接コミュニケーションが取れるなどのメリットもあります。
内容としては、新商品・サービスに関するセミナーや、自社でこれまで培ってきたマーケティングやビジネス手法に関するセミナー、著名人を招いた大がかりなセミナーなどです。ニーズや予算に合わせてコンテンツ作りを行いましょう。
日々の営業活動で得た名刺も大切なリード情報となります。
企業によってはいまだに営業担当者それぞれが獲得した名刺を、バラバラに保管しているケースもあるようです。名刺には重要な情報が載っているので、活用しない手はありません。
眠っている名刺を一元管理し、アポ取りやフォローとして活用することでリードジェネレーションの一歩を踏み出しましょう。
次に、今やマーケティング活動において重要となったオンラインでのリードジェネレーションのアプローチを解説します。
ここでは、自社Webサイト、SNS、Web広告を使った集客法をお伝えするので、参考にしてください。
自社Webサイトのコンテンツを強化して、継続的に情報発信するのも効果的な集客活動のひとつです。
近年は、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信するコンテンツマーケティングが非常に盛んで、当社のお客様もBtoCやBtoBビジネスを問わず、積極的に取り組まれています。
コンテンツマーケティングを行い、自社Webサイトの評価が上がると、SEO対策(検索エンジン最適化=Search Engine Optimizaion)にもつながり、上位表示されやすくなります。
ユーザーは、自分にとって興味のあるコンテンツを読むために繰り返しサイトを訪れ、資料ダウンロードや問い合わせなど、多くの見込み客との接点確保につながるでしょう。
SNSの運用も、今や企業にとってスタンダードなデジタル施策となりました。
事業・サービスの特性に応じてセレクトするツールは異なりますが、BtoB企業ではFacebook、BtoC企業ではInstagramやTwitterの利用が活発です。目的や企業特性に応じてSNSツールを選ぶことが大切です。
オフライン活動のうちイベント出展やセミナー開催は、ハードルが高い企業も少なくないでしょう。しかし、オンライン活動はどの企業にとっても着手しやすく、無料でビジネスアカウントを作成できるため、費用対効果が高いといえます。
Web広告も利用する企業が増えてきています。Web広告の種類として以下のものが挙げられます。
Web広告は、他の集客や広告ツールと比較して単価が安いのが特徴です。年齢や性別、地域といったターゲット属性や検索キーワードを押さえれば、効果の高い集客ツールだといえるでしょう。
特にリスティング広告と呼ばれる検索連動型の広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示できることから、ユーザーの「知りたい」というニーズに応えられます。また、一度訪れたことのあるユーザーへ、広告枠にもう一度自社製品やサービスの宣伝を表示する、リターゲティング広告も効果的です。
リードジェネレーションを行うときに、留意すべきポイントについて説明します。
リードを獲得する際は、数が多ければいいというわけではありません。量だけでなく質も重視してリードジェネレーションを行うことが大切です。
質の高いリードとは、自社商品やサービスへの関心を持っていて、購買意欲が強く受注確度が高いリードのことをいいます。質の高いリードを初期段階で確保することで、次の育成や商談へとつなげやすくなるでしょう。
質の高いリードを見つけるためには、ペルソナ設定を適切に行う必要があります。つまり、自社がターゲットとする顧客の特徴を具体的に特定する作業が重要です。
マーケティングの初期段階で行うことで、テレアポやDM送付といったリードジェネレーションの工数やコストを削減できるだけでなく、自社の商品やサービスを必要とするお客様と出会いやすくなるでしょう。
インターネットが普及し個人情報が流出する事件が増加していることを背景に、個人情報の取り扱いについて適切な管理が強く求められています。個人情報は企業のマーケティング戦略に重要ですが、漏洩や不正利用といったリスクがあります。
トラブルを回避するために、例えばオウンドメディアや企業の公式ホームページにプライバシーポリシーを記載し、アンケートには個人情報を利用する目的について明記しておきましょう。ユーザーが安心してサービスを受けられるよう、配慮に工夫が必要です。
企業のマーケティング業務を自動化するMA(マーケティングオートメーション)ツールも、リードジェネレーションに有効です。例えば、MAツールではWebパーソナライゼーションという機能を活用できます。
これは、リードがウェブサイトにアクセスしたIPアドレスを使い、企業名や場所を把握して、LP内の画像コンテンツを自動で選択して表示させたり、サイト内のポップアップを提示したりする機能です。
ユーザーを特定の商品やサービスに案内する導線を作りやすくなるので、コンバージョン率アップが期待できます。匿名だったユーザーが、問い合わせや資料請求など次のアクションを取り実名になることで、企業にとってアプローチが格段にしやすくなるでしょう。
以上のように、名前のわからないリードのことを「アンノウン・リード」と呼び、近年ではその数は増加中です。アンノウン・リードを適切に導き実名に変える企業活動を「アンノウン・マーケティング」と呼び、MAツールは企業のアンノウン・マーケティング活動を支援してくれます。
上で解説したように、MAツールの役割は、オンライン活動で集客したリード情報を獲得することです。具体的に、どのような方法でリードジェネレーションを行うのかについて解説します。
どの企業サイトにも設置されているお問い合わせフォームは、最もポピュラーなリード情報獲得法のひとつだといえるでしょう。
この場合、リード情報だけでなく、サービス説明や見積もり相談、訪問依頼など、リードから具体的な要望を引き出せる可能性があります。つまり、リード獲得と同時に受注確度の高いホットリード獲得につながります。
LPやホームページ、オウンドメディアに「資料請求」のパーツを組み入れることでも、リード情報を獲得できます。「氏名」「企業名」「メールアドレス」を入力し、送信ボタンを押して資料ダウンロードできる仕組みを作れば、ユーザーもすぐに資料を確認できます。
上記の「お問い合わせ」ほどではないかもしれませんが、資料請求もユーザーニーズが顕在化している状態のため、比較的質の高いリード獲得に至るでしょう。
資料請求だけでなく、「サンプル請求」も自社サービスや製品に強い関心を持ったユーザー情報の獲得につながります。ホットリードになる可能性が高いので、受注に至りやすいでしょう。
特定の課題やテーマを分析し、解決策をもたらす自社製品やサービス、調査レポートを提示する「ホワイトペーパー」と呼ばれる資料も、公式サイトからダウンロードできるようにしておきましょう。ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは情報収集段階にあり、リード獲得につながりやすくなります。
ホワイトペーパーを複数準備しておけば、リードがどのコンテンツに興味があるかを把握することが可能です。ユーザーとの接点確保の機会が生まれやすくなるので、企業は定期的にホワイトペーパーを作成し、MAツールを活用したメールマーケティングによるフォローを入れるといいでしょう。
メルマガに登録してもらい、ユーザーが関心のある有益な情報を提供して関係づくりを行うことが重要です。MAツールの機能を駆使しながらユーザーの行動を分析し、変化に応じた情報を継続的に発信すれば、ホットリードに成長するでしょう。
匿名のユーザーを実名化することで、リードの質は高まります。リード情報を獲得した時点でホットリード化している場合は別ですが、基本的にリードジェネレーションを行った後は、メルマガなどを通じてリードナーチャリングを行う必要があります。
リードジェネレーションを成功させた事例を2つ紹介します。
ノートパソコンで有名なVAIO株式会社では、ソニー株式会社からの独立後、BtoCビジネスだけでなくBtoBビジネスを強化すべく、MAツールを導入。人的ソースが限定される中で、いかに効率的にリードとコミュニケーションを取るかが課題でした。
既存のCRMと連携しながら、ターゲットのペルソナ設定を行い、コンテンツマーケティングを実施しました。その結果、コンテンツから獲得したリードを育成し、ホットリードになった状態で営業に引継ぐという業務フローが改善できたのです。
さらに、リード数やアポ数のKPIを設定し、目標と現状を定量的に可視化することで、ズレが生じたときにスムーズに調整しやすくなっています。例えば、リード数に関するKPI達成に向けて、どのようなコンテンツを配信すればいいか、その次のコンバージョン率も含めて検討しやすくなりました。
このようにMAツールは、コンテンツマーケティング作りや社内連携、業務フローの改善にも役立ちます。
印刷インキの製造や販売を行う東洋インキでは、売り上げのほとんどが既存顧客からとなっていました。デジタル化により印刷市場が縮小していることを受け、新規顧客を開拓すべくMAツールを導入しました。
展示会での来訪客に対しMAツールでメールを配信し、Webサイトでの行動分析を行い、次のアクションへとつなげることに成功しています。メールの文章、リンク先、製品ページなど、導線を考慮したメール作成を実施しています。
また、フォーム作成機能も活用してリード情報を獲得することで、業務効率化を促進しています。
リード育成の初めのステップであるリードジェネレーションは、オフラインとオンラインいずれの活動も重要です。とくにMAツールとの相性が良く、リード獲得を効率的に行えます。
MAツールは、集客施策で増えた見込み客を一人でも多く実名化するために欠かせないツールです。見込み客が必要とする情報を提示・提供し、見込み客の個人情報を入手するために、本稿で解説した内容を参考に、ぜひ取り組んでみてください。
リードジェネレーション施策の確認ができたら、次は2ステップ目『リードナーチャリング』をチェックしましょう。MAツールの威力がもっとも発揮されるステップのため、ここを見直すとビジネス成果も期待できます。
大伸社ではマーケティングオートメーション(MA)運用にかかせないリード育成のご支援も行っています。よろしければお気軽にご相談ください。
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『マーティングオートメーション(MA)でリードナーチャリングを加速しよう!』
WEBディレクター / コンテンツプランナー
横山 由美WEB上でのリード獲得や集客に向けたコンテンツ企画立案~制作ディレクションまでを担当。キーワード設計によるコンテンツSEOやコンテンツマーケティングなどが最近の主な担当案件です。WEB解析士/GAIQ 保有