2018年04月03日
お客様に、自分たちの携わった制作物の紹介をしていると、「こういうコピーとかデザインってどうやって考えているんですか?」たまに、そんな質問をいただくことがあります。
関心を持っていただけたのは嬉しい! ・・・でも、あらためて説明するとなると案外難しいものです。(世のクリエイターさんは、こういう場合、どのように答えているんでしょうか…??)もちろん、何かの企画をプレゼンテーションする際には、そのアウトプットに至った考えを説明することは当然誰もがやっていますし、個別の企画の思考のプロセスを伝えるだけであれば、簡単とまでは言わないまでも、割と言うべきことは定まってくるように思います。
しかし、「標準的なやり方」を説明するとなると、急に難しさが増すようです。標準的というのは、つまり、どんなケースに対しても一定の汎用性があり、再現可能であるということです。いわばクリエイティブの方程式のようなもの?? 「人それぞれのやり方がある」のは当然だとして、それでも、根本の部分で共有できるやり方のようなものがあるのかどうか?
当社では、2017年より「デザインラボ」という社内プロジェクトを立ち上げ、上記のような「メソッド」の研究に取り組み始めました。自分たちが普段やっていて、すでに持っているはずの「いいやり方」を可視化して、もっともっとお客様にも提案し、実践していこう!ということで、活動を進めています。
今回は、その取り組みの中で見えてきた、当社の企画・デザインのアプローチ法について一部ご紹介します!コピーやデザインを考える際にも欠かせない、「発想の広げ方」「思考の進め方」「見方の変え方」のご紹介です。
当然ですが、始めに「製品」そのものについて考えるというプロセスがあります。ただ、近視眼的に「製品」のことだけを見ていても、なかなかコレという着想は得られないことが多いと思います。こんな人がターゲット。こんな機能がある。デザインが良くなった。ラインナップも豊富。どれも必要な情報ではありますが、こうした見方だけでは、実は「製品」という存在の、ある一部分しか見えていない、と考えます。製品の「本当の良さ」は、仕様書にあるような一面的な情報だけではなかなかユーザーに伝わらないもの。私たちは、製品を取り巻く様々な世の中との「関係」、そして、ユーザーにとって製品がもつ「意味」に着目します。
例えば、Aという製品があるとします。製品Aは、それ単独で世の中に存在しているわけではありません。様々な関係性の中に存在しています。私たちがAについて考えるということは、その様々な関係性の中から「魅力ある関係性」を見つけ出す行為といえます。
まず、メーカー(ブランド)から見たAという関係があります。そこには、企業がAに込めた思いが見えてくるかもしれません。一方、ユーザーの数だけAとの関係があると言っていいはずです。(設計士から見たAという存在と、施主から見たAという存在は、また違う意味を持つかもしれません)さらに、環境面や公共性の高い製品であれば、社会から見たAという存在、という関係も成立するはずです。
こうして「関係」や「意味」を意識することで、ただ、機能や性能のみに目を向けている時と比べて、製品そのものの背景や奥行きが拡がって見えてきませんか? このようにして、ユーザーと共有しあえる文脈を探すわけです。これをストーリーと呼びます。
1つの方向から見ているだけでは製品のストーリーは見えてきません。視点をシフトするのには、ちょっとしたコツがあります。要するに連想ゲームみたいなものですが、そのあたりを次回の記事でご紹介いたします。
当社が出展する「コンテンツ東京2018 コンテンツマーケティングEXPO」でもブース内ミニセミナーを開催して、その一部をご紹介します。当社の「ストーリープランニング」の思考プロセスを体験いただける趣向となっておりますのでお時間のある方は、ぜひお立ち寄りください。
当社クリエイティブ事例のご紹介
ラボのすべてに込められた学院の「想い」を一冊の本として可視化。
作新学院 様「作新アカデミア・ラボ」コンセプトブック