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「大学らしさ」を掴むためのノウハウ—取材事例からみるヒアリングのポイント

2016年03月17日

学生から見た「大学らしさ」を導き出す方法

大学が抱える2018年問題を控え、これまでのように想定どおりの志願者確保ができる大学は、数パーセントにも満たないのは言うまでもありません。受験を控える高校生やその影響者となる保護者にいかにして大学の価値を理解してもらうかがポイントなのですが、どのように自校のことを伝えたら良いのか模索されている大学がほとんどではないでしょうか。

大伸社ディライトでは、学生から見た「大学らしさ」の導出を意識した取材/ヒアリングを常に行っています。今回は、そのポイントを事例を挙げてご紹介します。今回事例としてご紹介させていただくのは、兵庫県にある神戸芸術工科大学さんです。

私は、神戸芸術工科大学さんの大学案内や周辺ツール制作のディレクターとして携わってきました。しかし、6年前の初年度は高校生が魅力と感じる大学の魅力を掴むことに苦労しました。大学側が伝えたいことをヒアリングして、それを大学案内へ落とし込んでいくことだけで精一杯。しかし、初年度で在校生や卒業生の取材を行い、翌年からの取材をするなかで「学生が神戸芸術工科大学のどこに魅力を感じているのか」を捉えるヒアリングのコツを掴みました。

例えば、クラブサークル紹介で掲載する学生に対しての取材では、通常だと「このクラブで活動する魅力は何ですか?」「このクラブでの経験をどう活かしたいですか?」など、掲載テーマにもとづくことをヒアリングしていくのが一般的だと思います。しかし、私が行う取材の目的は、あくまで学生が感じている大学の魅力を引き出すこと。学生に取材を行える数にも限りがありますが、一人ひとりの学生取材の制限時間いっぱいで幅広く「大学らしさ」を引き出していきます。

ヒアリングのポイントをご紹介する前に、実際の取材内容を見ていただきましょう。

大学らしさを聞き出す取材のご紹介

大学案内の就職支援で掲載するプロダクト・インテリアデザイン学科の内定者の取材です。まず、「内定を決めるまでのプロセスは?」や「就職活動で役立ったキャリア支援プログラムは?」「どのように就職先で活躍していきたい?」などの取材を一通り終えてから。「大学らしさ」を導くヒアリングを行います。

―大学を選んだ事象を掴む―
私:そもそもなぜ芸工大を選んだの?
学生:家が近かったからです。
私:なぜプロダクト・インテリアデザイン学科を選んだの?
学生:雑貨コースがあったからです。
私:雑貨が好きだった?そのきっかけは?
学生:高校生の時におじいちゃんと絵を描きに外に出てました。その時に色んなものを見て勉強しようと思い、家具屋さんにお父さんといったんです。その家具屋で、雑貨に興味を持ち始めました。
私:それで雑貨があるコースに?
学生:はい。

―事象の真相を探る―
以前に取材したファッションデザイン学科の卒業生が「他の学科にある機材も1年生の時から使えた大学での経験があったからこそ、幅広い領域で活かせている」話しをされていたことを踏まえ。

私:ある卒業生は、こんな経験をしていたようだけど、実際どうなの?
学生:雑貨を作ってみたかったですね。大学に入ってからも工房の方がフレンドリーで制作にかける時間が多いのも魅力ですね。この大学は。

―事象を高校生視点で展開する―
私:そのことを高校生に薦めるなら?
学生:最近だったらレーザーカッターとか対応しているので、そういう最新の技術とかを取り入れる速さがけっこう芸工大は速いんじゃないかなと思っていて。それを学生がすぐに使えるようになっていたので。そういった新しい技術とかを試したいなと思っている人とか。例えば、あとは3Dプリンターとかもありますし。そういう面で新しいものを作りたい人とかそういう技術を試したいという人がいれば、芸工大はいいんじゃないかなと思います。

―事象を将来視点で展開する―
別のビジュアルデザイン学科の卒業生への取材で「制作する力も必要だけど、コンセプトを考えることも大切で、そのブレない軸を考え出す力を芸工大で身につけた」と話されていたことを踏まえ。

私:ある卒業生は、作るもとになるコンセプトを考えることは大切だと思うけどどうですか?
学生:そうですね。授業中にすごく考えているんですよ。先生が側にいてくれるので質問したら返してくれるし、授業中に考えがまとまるっていうことが多々あったので。そういう面で先生の距離が近いというのが、芸工大は一番魅力に感じます
私:距離が近いと感じたことはあった?
学生:商品化しようと考えている作品があって、先生に相談したんです。東京でカフェをしている卒業生を紹介してくれたんです。連絡したから行っておいでって言ってくれて、行ったんです。もちろん先生は事前にそのカフェを調査してくれているのかなと思ってたんですけど、先生は一回も来たことがないよ。。と笑。
でも、憎めないんですよ。実際に先生がしているデザイン事務所での仕事の内容を聞くと、凄い人だと思いましたし、そんな話しも普通の大学だと授業がすんだら、はい終わり!って感じだと思うんですけど、そうじゃなくて、ゼミ外でもちゃんと話したいことが話せる環境だから分かったことなんです。そういう話しは距離が近いとできないと思うんです。

ヒアリングのポイント

1.卒業生(上位経験者)のリアルな経験談を投じる
同じ大学で4年間経験してきた卒業生の在学中の経験談を投げかけ、学生の経験した魅力を深堀する。また、魅力の本質的な部分を導き出す。

2.大学の魅力を高校生視点に変換させる
学生が経験した大学の価値を、高校生だった頃の自分にオススメする観点で、大学の魅力を伝えてもらう。

3.大学の魅力をストーリー化する
入学前・在学中・卒業後で、学生が経験して感じた大学の魅力をつなげてストーリーにする。
スタート地点が異なる多種多様な受験生がいる中で、求める価値のレベルも異なるが、ストーリー化することで、「点」で捉えるのではなく「線」で捉えることができる大学の魅力にする。

大学らしさを導き出すヒアリングのポイント

学生1名への取材で導き出した「線」を、取材を重ねるたびに新たな「線」を生み、それらを紡いでいくことで「面」として大学の魅力を捉えます。

上記学生1名の取材で導いた、神戸芸術工科大学の「大学らしさ」のひとつ
1.創作意欲に応えてくれる設備

雑貨が好きではなく、雑貨を作ることが好きで、学生が求める入学したての1年生でも使える最新の設備環境が充実していてる。

2.思考の方法と大切さを知る

将来活かせる考え方/コンセプトや作り方まで、何でも相談することができる先生が身近にいて思考力がつく。

3.挑戦を楽しみに変える先生がいてくれる

踏み入れたことがない領域へ挑戦していけるように、身近な距離で後押ししてくれる先生と卒業生との信頼関係がある。

学生視点の「大学らしさ」を掴むことでアウトプットは劇的に変わる

アウトプットBefore/Afterの一例

Before:作品とたくさんの楽しそうな学生で表現

神戸芸術工科大学さん 大学案内 過去事例/Before

After:工房と教員や仲間との距離の近さを表現

神戸芸術工科大学さん 大学案内 改善事例/After

大学らしさの伝え方は、キャッチコピーだけではありません。事例のように学科紹介の中扉イメージ画像や、他にもイントロ、コラムなど、随所にわたり伝えていくことができます。また、大学案内だけでなくWEBサイトのトップページやランディングページ、動画や、オープンキャンパスの大学紹介スライドなど、ユーザーとのあらゆるコミュニケーションの場で活かせていくことができます。

イントロやWEBサイトのトップページなど、大学全体の「大学らしさ」を伝えるには、上記でご紹介した「面」を、学科やコース紹介などミクロな部分での「大学らしさ」を伝えるには「線」をコンセプトにしたアウトプットする表現設計が大切です。

その積み重ねが、学生から見た自校ならではの価値を高めていきます。

 

これから次年度の大学案内やWEBサイトなどの制作を考えはじめる時期ですね。
もしこのブログを読まれて、少しでも興味を持たれましたらお気軽にお声がけいただければ幸いです。

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