2021年06月30日
新しい製品やサービスを世にお披露目する説明会。コロナ禍前にはホテルやイベントホールといった広い会場に多くの顧客を集める一大イベントとして行われていました。
しかし新型コロナウイルスのまん延に伴い、説明会の多くは開催が困難に。そこで注目を集めたのが、オンラインならではの構成や演出で製品やサービスの情報を提供するオンライン説明会です。
今回はオンライン説明会を成功事例と、イベントを成功に導く手法についてご紹介します。
成功を収めたオンライン説明会について、ひとつ事例をご紹介します。
旭化成ゾールメディカル様は、コロナ禍前はホテルの会場を貸し切っての商品説明会を行っておりましたが、会場への集客が困難な状況となったため、新製品発表会をオンライン上で実施されました。
配信にはオンラインミーティングツール「Zoom」を使用。非録画の生配信を中心とし、テレビカメラに向かって語りかけるような構図でプレゼンテーションを行われました。
担当者による説明のつなぎには、プロの司会者を起用して進行。導入や製品説明にはあらかじめ制作された動画を流し、視聴者を飽きさせないようプレゼンテーション全体にメリハリを生み出しました。
また、Q&Aセッションタイムの設置のように、双方向からのアクションが生まれるインタラクティブな交流を設計し、視聴者が能動的に参加している感覚を演出。これにより高い満足度を実現し、イベント終了後のアンケートの回答率は通常60%前後のところ、80%超を記録する大成功を収めています。
イベントの詳細やアンケート結果などは、以下の記事でご紹介しています。
ストーリーを持ったバーチャルイベントで存在感を向上! 情緒的なコンテンツとインタラクティブな設計で高い満足度を実現。
オンライン説明会は、今や簡単な内容なら個人でも配信できるほど、ツールや機材が身近な存在となっています。しかし視聴した顧客が満足できる内容の説明会を実現するには、十分な準備と対策が必要です。
オンライン説明会の印象は、映像の質に大きく左右されます。解像度が高く明瞭な映像を配信するためには、スマホのカメラやPCの備え付けのカメラでは不十分。映像配信に対応したカメラは必須です。
またメリハリの効いたプレゼンテーションのためには、複数のカメラの切り替えや動画の差し込みといった演出が効果的です。スムーズな切り替えを行うためのスイッチャーを用意できると、演出の幅を大きく広げられるでしょう。
配信時の音質は、マイクの性能だけでなく配信する空間にも大きく左右されます。会社の会議室の多くは音響への配慮は薄いため、反響や雑音の影響を受けやすくなります。雑音がないクリアな音質を実現するため、音への環境が整った撮影専用のスタジオを利用するのが望ましいでしょう。
また一度の配信で複数のトピックを紹介するような場合、トピック間の切り替えをスムーズに行えると、視聴者にスマートな印象を与えられます。進行をプロの司会者に依頼できるなら、複数のトピックの間にワンクッションを置いたスムーズな進行が期待できます。
非対面であるオンライン説明会の成功には、事前の準備から当日の進行、説明会後のアフターフォローまでさまざまな対応が必要です。オフラインの説明会と共通する注意点も多くありますが、オンラインならではのポイントも見落としてはいけません。
オンライン説明会を何のために、誰に向けて配信するかというターゲットを明確に設定し、それに合わせた告知を行いましょう。新規顧客向けの説明会なら広告を強化し、既存顧客向けなら顧客リストへメールを配信するなど、ターゲットによって告知活動が大きく変わります。
前述の機材や環境を含め、説明会の質を意識した準備を行います。画質・音質は機材だけでなく回線状態にも大きく左右されるため、良好な回線を準備。司会者を用意するなら、説明会慣れした経験者を選ぶのが望ましいでしょう。
当日の進行も、視聴者を飽きさせないような工夫が求められます。適度に画面を切り替えて視覚的な刺激を与えるだけでなく、同じ話し手が延々と話し続けることのないよう、司会者を上手くクッションに使う進行を計画しておきましょう。
オンラインでの説明会は、得てして配信側からの一方通行のコミュニケーションになりがちです。見ているだけの視聴者は飽きやすく、離脱を招きやすくなるため、オンラインならではのインタラクティブなコミュニケーション要素を盛り込んでおきましょう。
説明を聞いていれば簡単に答えられるような製品のクイズを出し、配信ソフトの投票機能で回答を選ばせるといった手法も良いでしょう。予算が許せば正解者にプレゼントなどを行っても良いかもしれません。
視聴者側の理解度を確認しつつ、イベントへ一緒に参加しているような演出で、説明会を盛り上げましょう。
オンライン説明会を商談につなげていくためには、説明会後のアフターフォローが重要になっていきます。申込者の中から実際に参加している顧客をリストアップし、当日の説明会が終わった直後1時間以内にお礼のメールを出すなどして、顧客の意識を強めておきましょう。
また当日参加できなかった顧客にはアーカイブを視聴させることで、新たな問い合わせや商談につなげられる可能性が生まれます。
説明会というイベントはあくまでアプローチの手段のひとつであり、開催自体がゴールではありません。多くの成約に結びつけるという最後のゴールまで手を抜かないように心がけましょう。
オンライン説明会には多くの対応が必要なだけに、失敗を招くポイントも多く存在します。成功させるための注意点は、裏を返せば対応しなければ失敗するポイント。対応に漏れがないか、事前準備の段階から十分に注意しましょう。
誰に情報を届けたいかターゲットが不明瞭なプレゼンテーションは、結局誰にも刺さらずに無駄になりがちです。新規も既存もどちらも獲りたいと欲張ってしまったために、すべての顧客を逃してしまうケースは決して少なくありません。
オンライン説明会は短くても数十分は続くため、ひとりが同じ画角のまま話し続けてしまうと、画面に変化がなく視聴者が飽きやすくなるでしょう。前述のような飽きさせない工夫が必要です。
淡々と商品説明をするだけの説明会は、コミュニケーションが一方通行となり顧客の満足度は高まりません。
現実の説明会では、イベント終了後に親睦会のような形で、コミュニケーションを図る機会を設けられます。しかしオンライン説明会の視聴者はカメラをオフにしたまま説明会に参加する傾向が強く、イベント後の交流を促すのは困難です。
オンライン説明会の最中にクイズやアンケートを盛り込み、視聴者が自ら参加している印象を与えなければ、商品への関心が薄いまま説明会が終わってしまうでしょう。
また、イベントの後のオンライン交流会も開催が可能であれば、積極的に行ってみましょう。数人ごとに個別の部屋に分けて交流できる場を作るなどすれば、オンラインでも十分に交流が可能です。
オンライン説明会の実施は、主催企業側にとっては一大イベントといえるでしょう。しかしいくら大変な思いで準備をしていたとしても、説明会そのものをゴールに設定してはいけません。
素晴らしい説明会で参加者に製品が印象付いたなら、この後どのように購入まで持ち込むかが本当の勝負です。積極的にアフターフォローを行い、参加者側のアクションに任せるような状態にならないよう注意しましょう。
オンライン説明会の進行には、オフラインの説明会とは異なるシナリオ設計が必要です。非対面であるために離脱されやすいリスクもありますが、オフラインでは使えないような表現やコミュニケーション手法を活用することで、大きな成果を生むことも期待できます。
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