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製品情報がカタログ・Web・Excelに散らばっている会社で、AIが「使えない」と言われる理由

2026年10月06日更新

製品情報が複数の場所に散在していると、AIは正しく答えられません。製造業のAI活用で見落とされがちな「正となるマスター」の考え方と、整備の進め方を解説します。

「どれが正しいんでしたっけ」が、毎週起きている

営業が「このカタログの数値で見積っていいですか」と聞きに来る。設計が「Webの仕様が古いままです」と指摘する。海外代理店向けの英語カタログと、国内の和文カタログで、同じ製品の寸法が微妙に違う。

製品点数が多く、型番やバリエーションが複雑なBtoB製造業では、こうしたことが日常的に起きています。原因は単純で、製品情報が「ひとつの正しい場所」ではなく、複数の場所に別々に存在しているからです。

総合カタログの制作データ、Webサイトの商品ページ、営業が持っている価格表のExcel、設計部門の図面と仕様書、基幹システムの品目マスタ。それぞれが別のタイミングで、別の担当者によって更新されます。一度食い違いが生まれると、どれが最新で正しいのかを判断するのは、人の記憶と経験に頼るしかなくなります。

人間ならなんとか回ります。「カタログは古いから、Webを見て」と言えるからです。しかし、ここにAIを入れると、問題が一気に表面化します。

AIは「どれが正しいか」を判断できない

社内の資料を参照して答える生成AIを導入すると、AIはカタログもWebもExcelも、同じ重みで読みます。古いカタログの数値も、最新のWebの数値も、AIにとっては等しく「資料に書かれている情報」です。

すると、AIは古い数値を拾って答えたり、2つの数値を混ぜて答えたり、質問のたびに違う答えを返したりします。使う側からすれば「AIは信用できない」としか見えません。

ここで多くの会社が「AIの精度が低い」「もっと良いツールに変えよう」と考えます。しかし、ツールを変えても同じことが起きます。AIに渡している情報そのものが、矛盾を含んでいるからです。

AIに正しく答えてもらうには、まず人間の側で「正」を決めなければなりません。

「正となるマスター」という考え方

製品情報の世界では、この「正となるひとつの場所」をマスターと呼びます。すべての製品情報をマスターに集約し、カタログもWebも価格表も、マスターから情報を取り出して作る。情報を直すときはマスターだけを直し、各媒体はそれに追随する。この仕組みを支えるのが、PIM(製品情報管理)と呼ばれる考え方です。

マスターが整うと、AIにはマスターだけを渡せばよくなります。矛盾がないので、AIは迷わず答えられます。情報が更新されれば、AIの答えも自動的に新しくなります。

ただし、ここで注意したいことがあります。マスターを整えるとは、単にデータを一箇所に集めることではありません。

  • 型番の付け方のルールを決める
  • 仕様項目の名前と単位を統一する(「寸法」なのか「サイズ」なのか、mmなのかcmなのか)
  • 変更したときに「いつ・なぜ変えたか」が残るようにする
  • 例外や組み合わせの条件を、表やルールとして書き出す

こうした「情報の設計」が伴って、はじめてAIにもWebにもカタログにも、同じ正しい情報を渡せる基盤になります。

最初から全部やろうとしない

「では全製品のマスターを整備しよう」と考えると、話が大きくなりすぎて止まります。数千点の製品、数万の仕様項目を一度に整えるのは現実的ではありません。

私たちが実際の案件でお勧めしているのは、AIで効果を出したい業務をひとつ選び、その業務に必要な製品情報から整える進め方です。

たとえば「営業からの型番問い合わせにAIが答える」という業務を選んだら、問い合わせの多い製品群の仕様と組み合わせ条件だけを先に整える。そこでAIが正しく答えられることを確認し、効果が見えてから対象を広げる。小さく検証してから広げるほうが、投資判断もしやすく、現場の協力も得やすくなります。

カタログを作ってきた会社だから分かること

私たちは長年、製造業の総合カタログを制作してきました。数千の型番、仕様、例外条件を、間違いなく構造化して言語化する仕事です。その過程で製品情報の散在と矛盾に何度も向き合い、それを解決するためにPIMの仕組みを自社で開発してきました。

AIに渡す情報資産をつくる能力は、この仕事の延長線上にあります。AIが登場する前から、「正となる製品情報をつくる」ことを本業にしてきたからこそ、整備の勘所が分かります。

まず、自社の製品情報の状態を確かめる

御社の製品情報は、ひとつの「正」にまとまっているでしょうか。仕様変更の履歴は残っているか。製品の特長は、担当者によらず同じ言葉で説明されているか。カタログやWebの情報は、文字として扱える形になっているか。

「AI活用セルフチェックシート」では、こうした製品情報の状態を含む3領域・15の質問で、情報資産がAIで使える状態かを約10分で採点できます。製品情報の散在に悩んでいる会社は、たいてい「製品情報」の領域の点数が低く出ます。そこが、整備を始めるべき場所です。

→ AI活用セルフチェックシート(無料)のダウンロードはこちら

【無料15問】自社の情報資産はAIで使える状態?「AI活用セルフチェックシート」

【無料15問】自社の情報資産はAIで使える状態?「AI活用セルフチェックシート」

資料ダウンロードはこちらから 資料ダウンロードはこちらから

資料内容/ポイント

  • 製品情報が複雑なBtoB製造業のAI推進・DX担当者の方
  • AIを導入したが誤答が多く、原因が分からずに困っている方
  • ベテランの業務判断基準が属人化しており、どうAIに学習させるべきか悩んでいる方

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FURUMOTO MASAKI

マーケティングユニットリーダー/マーケティングコンサルタント

FURUMOTO MASAKI

BtoBリード獲得&育成のマーケ施策設計に特化したマーケティングコンサルタント。得意業界は製造業/医療/大学。他にブランド認知プロモーション、BtoB代理店支援、大学入試広報、新卒採用支援などのテーマも経験多数。 ・保有資格 PMP®(Project Management Professional)

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