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長年の伴走支援からAI活用へ。業務理解から始めた仕様書解析AIアシスタント開発プロジェクト

CLIENT : 株式会社オーケーエム

製品情報マネジメント

  • 長年の伴走支援からAI活用へ。業務理解から始めた仕様書解析AIアシスタント開発プロジェクト

背景/課題

継続的な制作支援の中で見えてきた、専門情報の整理と共有の難しさ

株式会社オーケーエム様は、建築、プラント、発電、化学工場、船舶など、幅広い分野に向けた工業用バルブの開発・製造するメーカーです。
大伸社ディライトでは、これまでカタログやチラシ、Webサイトなどの制作を通じて、オーケーエム様の製品情報の整理や情報発信を継続的に支援してきました。
支援を行う中で見えてきたのは、オーケーエム様の強みが、製品そのものだけでなく、お客様ごとに異なる条件を読み解き、最適な仕様を考える現場の「判断力」に支えられていることです。一方で、そうした判断の多くは、現場で培われてきた経験や暗黙知によって支えられていました。特にソリューションサイトの制作では、製品の特長や技術的な強みを伝えるために、現場に蓄積された知見や判断の背景を言語化する必要がありました。そうした制作プロセスを通じて、情報発信の手前にある業務そのものにも、知識の属人化や情報整理の難しさがあることが見えてきました。

その中でも、特に大きな負荷となっていたのが、お客様から届く要求仕様書の解析です。仕様書はお客様ごとにフォーマットが異なり、数十ページに及ぶこともあります。その内容を読み込み、必要な条件を抽出し、カタログやWebサイトなどの情報と照らし合わせながら適切な製品を選定するには、高い専門知識と経験が求められます。
そのため、解析には多くの時間を要するとともに、担当者の経験によって判断にばらつきが生じやすく、業務負荷と属人化の両面で課題を抱えていました。

施 策

現場で使えるAIにするための、業務理解からの設計

プロジェクトのスタート時、オーケーエム様では社内でAI活用を推進する動きもあり、業務へのAI導入を検討されているタイミングでした。
そこで大伸社ディライトは、AI活用・開発を専門とする24 INC.と連携し、オーケーエム様とともに、実際の業務にAIをどのように活用できるか検討を開始しました。
はじめに挙がっていたのは、「見積もり業務にAIを活用できないか」というアイデアでした。
しかし、オーケーエム様の見積もり業務は、営業・設計など複数の部署にまたがり、工程ごとのルールや担当者の暗黙知も多く含まれます。最初から業務全体をAI化しようとすると、対象範囲が広く、プロジェクト自体が複雑になる懸念がありました。
そこで、AIを導入すること自体を目的にするのではなく、まずは現状の業務を分解。「どこに負荷が集中しているのか」「どこであればAIによる支援が効果を発揮するのか」を一つひとつ整理していきました。
その結果、着目したのが、見積もりや製品選定の前工程にあたる「仕様書解析」です。
見積もりや製品選定に必要な情報を整理する前工程から支援することで、その後の業務もスムーズにできると考え、24 INC.と連携しながらAIアシスタントの開発を進めました

◯現場の判断プロセスを言語化し、AIが扱える形へ

AI仕様書解析アシスタントの開発でまず行ったことは、設計担当者が仕様書を解析する際に、普段どのような判断を行っているのかを明らかにすることです。
「どの情報に着目するのか」「どの条件を優先するのか」「何を根拠に判断するのか」。現場へのヒアリングを重ねながら、これまで担当者の頭の中で行われていた判断プロセスを一つひとつ言語化し、AIが扱える形へと整理していきました。
その過程では、担当者自身も意識していなかった判断の癖や、長年の経験によって培われてきたノウハウも可視化されました。AIアシスタントを開発することが、結果として、これまで言語化されていなかった業務知を整理する機会にもなったのです。
また、オーケーエム様の業務にはイレギュラーな仕様や複雑な判断も多く存在します。そのため、すべての判断をAIに任せるのではなく、「どこまでをAIが担い、どこからを人が判断するのか」という役割分担も整理。業務を理解したうえで、人とAIが協働しながら現場で使い続けられる仕組みを目指しました。

成 果

月約30時間、年間約360時間の削減を見込む仕様書解析へ

完成したパイロット版では、仕様書を読み込ませることで、膨大な情報の中から製品選定に必要な条件を短時間で抽出できるようになりました。
また、抽出結果だけでなく「なぜその回答を選んだのか」という根拠も確認できるため、担当者が結果を確認しながら活用することができます。
オーケーエム様では、AIアシスタントの導入により、仕様書解析にかかる時間を月約30時間、年間約360時間削減できると見込んでいます。これまで確認作業に費やしていた時間を、お客様への提案や課題解決など、より付加価値の高い業務に充てられることも期待されています。

◯業務効率化の先に見えてきた、知識継承とデータ活用の可能性

今回の取り組みで得られたのは、時間削減だけではありません。
仕様書解析のプロセスを整理したことで、これまで担当者の中に蓄積されていた判断基準やノウハウを、組織で共有・継承していく可能性も見えてきました。
今後は、設計部門だけでなく営業部門での活用や、ベテラン社員が持つ知識の若手社員への継承など、さらなる展開も検討されています。
また、仕様書と選定された製品だけでなく、「なぜその製品を選んだのか」という判断の過程まで蓄積することができれば、将来的には需要予測や新たなソリューション提案にも活用できる可能性があります。

 

 

プロジェクトを振り返って

株式会社オーケーエム

マーケティング部 マーケティング課 課長/プロジェクト責任者 山中様

「日常的な課題を解決するだけでなく、組織を前に進める取り組みに」

AIの現状や他社事例について説明いただき、当社としてもAIを活用しなければならないという意識は持っていましたが、実際にどこから取り組むべきなのかは見えていませんでした。
今回、業務を一緒に整理しながら、取り組む領域を絞って進めていただけたことで、安心してプロジェクトを進めることができました。
仕様書解析は日常的に行っている業務でありながら、これまでなかなか解決の糸口が見つからなかった領域です。今回の取り組みを通じて、AIが日々の業務課題を解決するだけでなく、今後の知識継承やお客様への提案など、組織を前に進めるためにも活用できる可能性を感じています。

 

技術部 設計課 課長 村木様

「AIに任せられる業務は任せ、人はより付加価値の高い仕事へ」

パイロット版を初めて使ったとき、仕様書を読み込むだけで必要な情報が抽出され、さらに回答の根拠まで確認できることに驚きました。開発にあたって、自分が普段どのような条件や優先順位で判断しているのかを整理していったこともあり、自分の考えに沿った回答が出てきたときには、「このAIなら信頼できる」と感じました。
もちろん、人による最終的なチェックは必要ですが、これまでの仕様書解析作業の多くをAIに任せられることには、大きな手応えを感じています。今後は、AIに任せられる部分は任せ、人はお客様への提案や課題解決など、より付加価値の高い仕事に時間を使っていければと思っています。

 

株式会社大伸社ディライト
プロデューサー:入江 優花
ディレクター:谷井 誠(24.INC)

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