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【BtoB製造業】商品情報管理システム導入において改めて理解したい『データ精度』の重要性

2023年09月07日

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の観点から、BtoB製造業にとって商品情報の活用はより重要なテーマとなっています。実際、商品情報管理システムであるPIMやDAMの企業導入率が高まっているという調査結果もあり、情報資産である商品情報の戦略的な活用は今後一層進むと予測されます。

今回のコラムでは、BtoB製造業にとって欠かせない商品情報管理に関する現状とそこから見えてきた課題に触れながら、情報一元化の先にある“情報精度の重要性”について解説します。

商品情報管理システムを『導入済』『導入計画あり』は3割以上

労働人口の減少を背景に、BtoB製造の現場においても人材不足は大きな課題となっています。この課題解決の鍵として“DX・デジタルマーケティング推進が必須”と言われる中、ここ数年で起きた世界的な感染症拡大が後押しする形となり、製造業におけるデジタルシフト化も大きく前進しました。

株式会社Contentservが2023年1月、取扱商品点数10,000点以上で従業員規模が100名以上の製造業、流通業・卸売業・小売業、商社に対して行った『商品情報管理に関する意識・実態調査(※)』によると、『商品情報管理(PIM)を知っている 38%』『商品情報管理システム(PIM)を既に導入している 13%』、『導入を計画している 34.3%』という結果が出ており、企業における商品情報管理(PIM)の認知の拡がり、導入の拡大傾向が分かります。

  • 商品情報管理(PIM)を知っている: 38%
  • 商品情報管理システム(PIM)を既に導入している: 13%
  • 商品情報管理(PIM)導入を計画している : 34.3%

また、「商品情報を管理するうえで魅力的だと思う機能」についての回答には、『商品データを一元化できる』が76.7%と最も多く、次点で『さまざなシステムと連携できる』53.3%という結果に。

商品情報管理(PIM)を活用する最大のメリットは『情報の一元化』と言われますが、現場で取り扱う商品情報はスペック、画像、動画、仕様書、図面、CAD等多種多彩でありながら、それぞれの管理先は設計部、制作部、マーケティング部等と別れているケースが少なくありません。

必要となる情報が一元化されていないとミスやムダの元となります。販売チャネルの多様化や顧客ニーズの複雑化に対応するためにも、今後、『情報の一元化=商品情報管理』はますます多くの企業で導入が進むとみられています。

(※)出典:株式会社Contentserv『商品情報管理に関する意識・実態調査
取扱商品点数が10,000点以上で従業員規模が100名以上の製造業、流通業・卸売業・小売業、商社の従業員、もしくは会社経営者・役員を対象に2023年1月18日(水)~19日(木)の2日間、インターネットにて調査。有効回答数:300サンプル

【商品情報管理システム】導入済企業でよく耳にする課題

しかし一方で、既に商品情報管理システムを導入済みの企業からは想定外の課題に悩まされているという声も聞かれます。下記はその代表的な例です。

システム導入が先行してしまっている・・・

企業ごとにビジネスの手法・フロー、顧客像、課題などはさまざま。そのため、商品情報管理システムの導入においては自社の目的や状況を照らし合わせながら、どういった機能・スペックが必要か選定する必要があります。しかし、中には、目的に沿ったシステム導入ではなく、システムありきでプロジェクトが進んでいるように感じるケースがあり、その場合、後々、以下のような声が挙がることが想定されます。

・システムは導入したのだが、今後、何をどう進めればよいかが決まっていない…
・導入したシステムが現行の作業と合致しない部分があり、余計にややこしくなった…

目的が明確でない状態でシステムだけ導入してしまうと活用が進まず、結果、求める成果を生むことができません。「大手に限って…」という声が聞こえてきそうですが、企業規模にかかわらず、こういうケースは珍しくないといえます。

データ整備が進まず、システム連携に移行できない・・・

大企業だからデータマネジメントの質も高い、とは限りません。むしろそこには規模感のある大企業特有の課題もあります。

・本社・各拠点、部署・部門ごとにデータの取り扱い方・持ち方が異なる…
・本社や主要部署にシステムが導入されたが、それだけではデータが揃わないため、情報の一元化がなかなか進まない…

規模が大きい企業ほど部署・部門単位でデータ管理を行っており個別最適化に留まっている、また、本社と各拠点でデータの持ち方が異なる、といった例です。
この場合、商品情報管理システムをいくら急いで導入しても、搭載するデータが目的にそって加工・修正・調整されたものでなければ、システムの活用には至りません。いわゆる“データはあるが、使える状態にはない”という状態です。
ちなみに、個別管理されたデータをシステムへ搭載できる(=使える)状態に加工・修正・調整するには、想定外の工数・費用が発生することも理解しておく必要があります。

作業が属人化しており、全社活用の土壌が整っていない・・・

企業規模を問わず製造業においてよくある課題が、業務の属人化です。これはデータ管理の対応についても当てはまり、「この作業は○○さんでないと分からない」「この管理ルールは△△さんに確認する必要がある」といった会話がよく聞かれます。

・特定の人物しか作業内容が分からず、改修しづらい…
・熟練の担当者にノウハウが集中し、後継となる若手が育っていない…

DX推進の観点からも、属人化は足かせといえます。しかし、多くの企業ではIT人材の不足もあり、体制移行がなかなか進まないのが現実です。
また、BtoB製造業では取り扱う情報に機密事項が多いことも、作業が存人化しやすい要因のひとつといわれています。

データの質がプロジェクト成果を左右

商品情報管理システムの有効活用における課題は多岐にわたるものの、現場で見聞きする中で特に気になるポイントは『データ精度』です。もちろんシステム導入により何をしたいか・どんな成果を挙げたいかといった目的・目標が定まっていることは前提となりますが、次のステップとなる既存業務の現状把握、いわゆるデータ調査・分析が十分になされていないまま設計・開発に着手しているケースが意外と多いようです。

お客様ごとに取り扱うデータの特徴はさまざまですが、いずれの場合においてもプロジェクトの目的と照らし合わせたうえで “データの質を高める”ことは、以降のシステム設計・システム開発の重要な基礎作りとなります。

『コンサルティングフェーズ』に注力し、全体最適化をデザイン

ひとつ例を挙げてみます。
商品情報管理システム(PIM)とCMSによるカタログ制作システムを構築することで、webとカタログの統合製作フローを実現する『製品情報管理プロジェクト』事例です。以下4ステップでご提案しました。

1. ビジネス要件定義:
2. 既存カタログ データ分析
3. システム設計
4. システム開発

同事例の目的は、システム開発ありきではなく、“Webとカタログの統合制作フローの実現”に適合するシステム開発を開発すること。Web・カタログそれぞれで使用する製品情報ごとにモジュール・コンポーネント化を行い、それに伴うカタログ構成・フォーマットを新たに設計するために、特に初期ステップである『1. ビジネス要件定義』『2. 既存カタログ データ分析』といったコンサルティングフェーズに注力することでデータの質を担保しました。

【プロジェクトステップの例】

ちなみに上記の事例では、それぞれのフローをおおよそ以下の期間と設定しました。
1. ビジネス要件定義: 約3ヶ月
2. 既存カタログ データ分析: 約3ヶ月
3. システム設計: 約2か月
4. システム開発: 約4ヵ月

これはあくまで一例であり、全体工数はプロジェクト要件によって増減します。
しかし、この例では基礎設計ともいえる1・2のフローで約半年と、3・4の設計・開発フローと同様の期間を要しています。それだけコンサルティングフェーズは時間を要するということです。
もし、貴社がご提案を受けている商品情報管理プロジェクトの初期設計期間が、システム設計・開発期間と比較して極端に短いようであれば、今一度、コンサルティングフェーズの詳細を再確認してみることをおすすめします。

データクレンジングで質を向上

課題でも触れましたが、多くの企業では “データはあるが、使える状態にはない”という状態にあります。そのため個別に蓄積された膨大な量のデータをクレンジングして商品情報管理システムに搭載できるように整える必要があります。
これはデータ生成の技術さえあればクリアできると誤解されがちですが、その手前にもデータ収集から目的に応じたデータ整理・設計、データ運用のルール化等、各種ワークが発生します。
取り扱いデータが膨大かつ複雑であるほど、データクレンジングの難易度は高まります。
商品情報管理システムの導入を検討する際は必ずデータクレンジングの実施についても詳細な計画を立てるようにしましょう。

データの質に寄与する「現状調査」

現状調査もデータ整備の前提となる重要なフローです。
業務担当者様へヒアリングを通じて、現状の『業務フロー』を整理しながら課題やリスクを整理します。工程ごとの業務をできるだけ詳細に伺いながら、付箋などを使って貼り出していく「タスク抽出型フロー把握」を行うことで、作業の重複や負荷のバランスなども端的に把握しやすくなります。
その他にもユーザー体験をミエル化した「ジャーニーマップ型フロー把握」も理想とする業務フローを発見するために効果的です。

【タスク抽出型ヒアリング イメージ】

カタログフロー診断の詳細はこちら

『データの質』は商品情報管理プロジェクトの成果に貢献するひとつのポイントとなります。今後、商品情報データをどう活用していきたいのかを明確にしたうえで、今時点での商品情報データの管理状況を知り、理想と現実の合い間を埋めていく、そのうえで理想をかなえるデータクレンジングを実施してください。

まとめ

商品情報管理をかなえるシステムには、さまざまな種類があります。しかし、目的を実現するためのシステム設計・開発でなければ、システムだけが独り歩きし、肝心のプロジェクト成果がでないという結果になりかねません。
そのためにはシステム設計・開発の前提となる「要件定義」や「現状把握・分析」が重要となり、中でも『データの質』を高めることは成果に貢献するポイントであることを説明しました。これらの情報が、貴社の今後の商品情報管理システム導入のヒントになれば幸いです。

また、大伸社ディライトでは商品情報管理システムの開発・構築だけでなく、各種媒体との連携に応じた高効率な業務フロー設計までご支援しています。ただし、機密事項を含む関係上、事例ページではご紹介できないケースも多くあります。業種・業態ごとにプロジェクトの特性もご提案内容も異なっております。詳細は個別にご紹介させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

操作性・機能性を追求した商品情報管理システム「axer」の詳細はこちら

商品情報管理の次の一手!PIM活用で進化する情報発信の形

商品情報管理の次の一手!PIM活用で進化する情報発信の形

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資料内容/ポイント

  • 企業にありがちな悩みを例に挙げながら、社内に散在した商品情報を統合管理~運用(PIM)するための解決手段をご紹介しています。
  • CASE.01 宣伝部門担当者様の悩み「朝から深夜まで作業と打ち合わせ。 いつからこんなに余裕がなくなったのだろう… 」
  • CASE.02 営業担当者様の悩み「新商品の説明をしても、最近は今ひとつ手応えがない」
  • CASE.03 システム担当者様の悩み「社員の業務効率化のために、予算がつくだろうか」
  • CASE.04 購買担当者様の悩み「採用候補の商品情報が膨大で、 データを集めるのが大変…」
  • CASE.05 マーケティング担当者様の悩み「日々変化する状況に応じて、 ピンポイントの販促施策を打ちたい」

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