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コロナの影響で考えたい!地方自治体のコンテンツ企画のポイント

2020年04月16日

大伸社ディライトにてインバウンド向けプロモーションのご支援をしております海野(うんの)です。
現状、コロナウイルス蔓延により訪日観光客の渡航が制限され、地方経済にも大きな影響を与えており、今後いかにして地方経済を回復させていくかが重要となってきます。事態終息後の地方への集客を見据え、国内の観光客は勿論のこと、地域コンテンツを活用してインバウンド需要を早期に取り戻していくことは重要なカギとなります。
そこで今回は訪日外国人の地方での動向をふまえて、訪日外国人に刺さる地域コンテンツ開発を進めていくにはどのようにしたらいいかをまとめてみました。

 

訪日外国人の地方での動向

近年訪日外国人の訪問先として“ゴールデンルート”と呼ばれる東京・名古屋・大阪といった三大都市圏以外の地方都市が人気を博しています。事実、政府発表の観光白書によると、2018年度には三大都市以外を訪問する外国人観光客がゴールデンルートの訪日客の約1.4倍にも増加しています。(下記図)

訪問地別訪日外国人旅行者数の推移¹

¹出典:国土交通省 観光庁 「『平成30年度観光の状況』及び『令和元年度観光施策』(観光白書)」

 コロナショック前とはいえ、これは注目すべき変化といえます。これに伴い、2015年には6561億円だった訪日客の地方での消費額も、2018年には1兆362億円となり、初めて1兆円を突破するなどして更なる経済効果が期待されています。²

²出典:国土交通省 観光庁 「『平成30年度観光の状況』及び『令和元年度観光施策』(観光白書)」

 また、昨今、訪日外国人の旅行先での動きとして、買い物などを中心とするのではなく、「コト消費」と言われる温泉や、スキーやスノーボードなどの自然でのアクティビティ、農村漁村体験などの地域性の高い体験型コンテンツが好まれており、これらの体験を求めて地方を訪れる訪日外国人が増加しています。

その背景には、中国や韓国、台湾、香港からの日本旅行のリピーターの増加や、欧米豪からの旅行者が長期間滞在する中で、日本ならではの体験がしたいというニーズの高まりが背景にあります。また、地域でしかできない特別な経験や、その地域の人々との交流を求めて地方に訪れる訪日外国人が近年増加しています。

やはり地方における独自性を持ったコンテンツを企画・発信していくことは訪日外国人を集客する上で重要なカギとなってきます。

 

地域コンテンツ開発の成功と失敗を分ける3つのポイント

 では訪日外国人を惹きつけるためのコンテンツ開発を進めていく上で意識しておくべきことは何なのでしょうか。

 外国人に刺さる地域コンテンツ開発の成功と失敗を左右するポイントは以下の3つです。

1つずつ解説していきます。

 

1. ニーズ分析  訪日外国人とのギャップを明らかにする

自分たちが「この体験をしてもらいたい!」と地域の目玉として売り出していても、訪日外国人のニーズとギャップがあっては、いくらプロモーション活動を行ってもなかなか成果に結びつきません。訪日外国人にとってどこが魅力的なのか、どこを押していくべきなのか、ということを外国人目線で分析し、ギャップを減らすことが地域コンテンツづくりでは大切です。

例えば、訪日外国人が地方に訪れた際に関心度が高いのが、その地域の人々の衣食住といったライフスタイルです。実際、日本旅行で一番満足したこととして「日本の日常体験」が挙げられています。³ 一方で訪日外国人が気軽に参加できる日本の生活体験コンテンツはまだまだ多く提供されていません。このように訪日外国人ニーズが案外多く見落とされていたりします。

そのため、外国人モニターやアンケート調査を行ったり、実際に海外で日本の体験ツアーを販売している旅行代理店を通じた分析を行うことが有効となってきます。

 ³出典:国土交通省 観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析( 2018 年次報告書 )」

 

2.企画立案  訪日外国人ニーズにあった企画を立案する

国ごとに訪日旅行で求めるポイントというのは異なります。アジア圏の場合、写真映えやインパクトのある観光が好まれる一方で、欧米豪の場合、その地域や事柄の歴史・背景などの意味合いを知って観光を行うことが好まれます。ですので、国ごとにアピールポイントを変更し、旅行客の特性を理解したうえで体験型コンテンツを企画していくことがポイントとなってきます。

例えば京都にある伏見稲荷大社は訪日外国人客にとって非常に人気のある観光地でありますが、楽しみ方も国によって異なります。アジア圏の外国人の場合伏見稲荷駅から本殿までを移動し観光を終える傾向にある一方で、欧米豪の場合、本殿からさらにその先の稲荷山まで登りきり、より活発的に動く傾向にあります。

このように同じ場所でも訪日外国人によって楽しみ方や行動パターンは異なるため、訪日外国人の嗜好にあわせてコンテンツを企画していくことが大切です。

 

3. 地域連携 地域全体での取組み

まずは地域に住む人々がその地域の魅力を理解していなければ、地域の独自性を持つコンテンツというのは生まれてきません。自治体や企業、商店や市民などが一丸となり、地域全体で連携し、幅広い意見を取り入れていくことで新たな魅力の発見にも繋がります。地域を知り、地域全体でコンテンツをつくり上げていくという意識をもつことが大切です。以下事例を紹介します。

地域一丸となり地域振興に取組み、訪日外国人集客に成功している事例として、京都府南丹市にある美山町が挙げられます。

美山町はかやぶきの住居が多数あり、日本の原風景が未だ残る自然豊かな地域であります。地場産業である木材需要が減り、また少子高齢化による人口減少から地域経済が低迷していたことを背景に、地域全体で活性化に向けた対策を行ってきました。

まず美山町では地域住民の気持ちが一つになるよう、10数年をかけて話し合いが行われてきました。そして地域の事業者や住民組織、観光協会、行政等が協力し、南丹市美山エコツーリズム推進協議会が設立されました。その後既存の観光協会や南丹市美山エコツーリズム推進協議会を新組織内に統合した地域DMOを設立し、地域特性を活かした観光作りで地域経済を循環できるように、地元住民・団体が連携を強化していきました。

そして美山町では地元風土を活かした多種多様なイベントや、地域住民を巻き込んだ体験型コンテンツを企画するなどして地域全体でインバウンド集客に取り組んできました。

結果、誰も知らない日本の里山や原風景が見れる場所として人気が高まり、台湾や香港、東南アジアからの訪日外国人客数が年々増加するようになりました。特に冬の時期は非常に人気が高く、「雪灯廊まつり」の時には約15,000人の外国人観光客が訪れるほどとなりました。

また美山町ではホームステイや農村体験などの教育活動を通じた団体ツアーの招聘にも力をいれています。地元一般家庭や、農家と協力し、自然の中でのアクティビティや、昔ながらの生活様式体験などを通して、美山町でしか経験できない日本文化体験を提供しています。このような活動が宿泊業として民間への収入にも繋がっており、今後更に地域経済の活性化にむけて一役を担っていくと期待されています。

 

まとめ

集客に繋がる地域コンテンツを企画していく上でこれらに通じるのは外国人目線で考えるということです。訪日外国人が訪れた際にどこに関心を持ってもらえるのか、何が楽しいと感じてもらえるのか、ということをしっかり考えていくことが大切です。

弊社ではモニターやアンケートなどの外国人ネイティブ調査分析や外国人目線でのコンテンツ企画発信ご支援させて頂いておりますので、お気軽にお問い合わせください。

また、以下の資料でも幅広いインバウンド施策のご紹介を行っております。ぜひご覧ください。

コロナウイルスにより先行きが見えず、困難な時期ではありますが、今できること・やるべきことを行い、事態終息後のインバウンド需要を取り込めるよう対策を練っていきましょう。

 

 

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