2018年08月02日
Adobe Illustrator やInDesignといったグラフィックデザインの編集ソフト。これらが進化していくのは、私たちDTP制作の現場にとってもありがたいことではありますが、旧バージョンで作成されたデータを流用してカタログの改訂作業などを行う時には、様々な危険をはらんでいることも事実です。新しいバージョンで開いただけでは、様々なデータトラブルが生じ、しかも、往々にして一目見ただけでは分からないような、微妙かつ重大な不備だったりしますので、本当に危険がいっぱいといえます。「旧バージョンのデータをそのまま流用するだけ」という認識で、新バージョンにコンバートする作業が必要なこと自体、あまり意識されていないケースも多く、予期せぬトラブルによってスケジュールやコストにも大きな影響が出てしまうこともしばしばではないでしょうか。ここでは、私たちプロセスデザイン部が、DTPの現場で行っているデータコンバートの方法をご紹介いたします。
私たちのデータコンバートの一般的な手順は下記のようになります。
作成されたバージョンや使用フォント、素材データなどの状況を調べます。その段階で、コンバートしやすい状態にデータを整える場合もあります。
新たに作成するバージョンでデータを開きます。
過去のトラブルなどをもとにしてデータ不備を検証し、調整作業を行います。
さらにデジタル校正で新旧の差異を検証します。
デジタル校正で検出された差分について状態をチェックし、必要に応じて調整を行います。
新バージョンへのデータコンバートが完了します。
特に③と⑤は人による作業となり、過去の経験値によって時間と精度が大きく変わるところになります。私たちは、DTPの現場で培ったノウハウとデジタルツールを活用し、高い精度で効率良いデータコンバートを実現いたします。
最後にIllustratorのデータをInDesignに再構築する例をご紹介します。どちらもAdobeの編集ソフトですが、特にページ数の多いカタログを制作する編集ソフトとしてはInDesign の方が断然適しているといえます。IllustratorのデータをInDesignに再構築する際には、InDesignでIllustratorのデータを直接開くことはできませんので、通常はコピー&ペーストでオブジェクトやテキスト情報を移植していくことになります。それでは、人的なミスも多くなり、もちろん時間とコストも多くなってしまいます。私たちはその作業を自動的に行うプログラムを作成して、効率化を図っています。
下記のムービーで、Illustratorのデータ(画像、文字、線画情報)をInDesignに自動的に再構築する画面がご覧いただけます。
過去のデータを、その状態や使用目的に応じて活かすためにも、最適なデータコンバートのあり方をよく検討する必要があります。
もちろん、データコンバートのみのお仕事もお請けしておりますので、お気軽にご相談ください。