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RFP策定をする利点は?【成果へ貢献するWebサイトリニューアル考察】

2018年01月05日

以前『まとめるのが大変…WebサイトリニューアルのRFP作成が明快になる3つのポイント』についてご紹介致しましたが、有難いことに多くの方々からご相談やお問合せを頂きました。

その中で、『よりリアルな話しを実例で知りたい』、『策定の手順は?実際に役に立つのか?』といったリクエストもいただいております。そこで!今回は、以前反響をいただいたRFP(提案依頼書)について、私の担当した案件の実例も交えつつ、具体的な役立て方や効果についてお話ししたいと思います。

そもそもRFPって必要?

RFPとは『提案依頼書』のことで、サイトリニューアルなど大規模なプロジェクトを外部の協業先と共に実施していくにあたって要件を取りまとめた資料となります。

策定経験がある方や内容を知っている方であれば一度は感じられたことがあられると思いますが『策定や策定調整が大変、Webの細かい事を知らないから内容も考えるのが面倒』、『RFPが無くとも問題なく、制作会社や情報システムの詳しい人に頼んだ方が早いのでは?』と言う方もいらっしゃると思います。

ただ、制作会社や詳しい人に依頼すれば確実かというと実はそうではありません。というのは一括りにWebサイトといっても目的によってその仕様は千差万別だからです。

例えば、「企業広報(情報の告知)を目的としたサイト」と「実売への直結を目的としたサイト」では、当然サイト自体の構造も掲載コンテンツも異なってきます。従って「目的」が明確に定義されていない状態では本来パフォーマンスの高いサイトは制作できません。

しかし実際は、明確に設定されないままプロジェクトがスタートすることも多いのが実情です。軸となるものが無い以上、依頼を受けた側としては自分達の経験の中から考えるしかありません。そうして軸の定まらない状態のまま提案を受けた依頼側は得てして「話を聞いているとあれもやりたい!これもやりたい!」と一つのサイトで様々な目的らしきものを追いかけている状態(目的乱立タイプ)に陥りやすくなります。

また新しい手法やサービスが常に開発されています。時流を押さえたサイト設計はもちろん重要なポイントではありますが、ついその部分ばかりに意識をとられて『レスポンシブデザインにするのが良いのか、それともスマホ専用サイトを構築した方が良いのか?』、『このキーワードで検索順位を上げたい!SEO対策はどうなっているんだ?』といった手段が先行しWebサイトを作ること自体が目的となりサイト公開後に何をすれば良いのか分からない状態(無目的タイプ)に陥ることもあります。

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そんな迷宮入りを解消するのがRFP(提案依頼書)です!

具体的な事例を見て頂いた方が想像頂きやすいかと思いますので、事例に沿ってRFP策定のメリットをご紹介していきます。

事例:法人向けインフラ機器メーカーA

ご相談を頂いたのはインフラ機器を製造販売するメーカー様の広報責任者様。サイト内には商品情報だけでなく機器に関連する一般知識や機器に関する基礎的な情報など広く・深い情報が細かく掲載されており、検索サイト【Google】からの評価も高い状態でした。

ただ、前回のリニューアルからすでに数年が経過していたこともあり、現在の一般的なWeb環境との不整合(サイトの階層が深く各コンテンツへアクセスしにくい、表示速度がかなり遅いなど)が存在していました。そして近年のGoogleからのサイト評価も次第に低下傾向に。そこでGoogleの検索アルゴリズムに沿った構造へリニューアルすることで、評価を更に上げ会社をより多くの人に知って頂く機会を増やしたい(認知拡大したい)と考えられていました。

しかし広報課様は営業企画内の部署であり、予算は広報課様ではなく営業企画部全体として持たれている状態でした。そして営業の皆様からは『ただの認知拡大だけでは営業としては物足りないため、法人ユーザーとの接点を増やしていくための営業支援サイトにしたい』といったオーダーがあったようです。

その一方で、経営層からもまた別の視点での方針が指示されたりもし、社内の方向性集約に苦慮されていました。そして目指すべきサイト像が曖昧なまま、構築担当候補となる制作会社が経営層からの紹介もあり複数集められ、プロジェクト内で定まった共通認識が形成できていない中でのディレクションが要求されていました。

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つまり

・様々な方が自分達の立場で様々な事を要求してくるため目的が定まらない

・経営層(=決裁権を持つ方)の意図を汲みこまないと決定できないが、現場意見とズレがある

・判断基準が不明確な状態で、異なった強みを持つ会社から提案頂いても『それぞれ特徴があっていい提案』となり選定が出来ない(中々プロジェクトスタート出来ない)

といった悩みを持たれており課題解決の手段として、RFP(提案依頼書)を作成することをご提案致しました。

 

当社が枠組みとしてご提示したのは以下のような項目(一部抜粋)です。

1.ビジネス目標とマーケティング目標→●●年後に●●●な状態になっている(定量的・定性的に)

2.それを達成するためにおかれている状況と課題、それを踏まえてデジタル領域において実施すべきことの明確化(Webサイトで何ができるのか・今回のリニューアルで何を達成すべきなのか)

3.Webサイト以外で必要な施策は無いのか(あっても今回の予算に入れるのかor入れないのか)

4.予算とスケジュールはどうするのか、協業先に期待することは何か?

上記の様な要件を取りまとめ、スムーズにプロジェクトキックオフ~リリースを完了されることが出来ました。

RFPによって役割が明確化。シナジーを生む体制となり目的達成へ

少し事例の話が長くなりましたが、取りまとめるとメリットはこうなります。

1.関与者(プロジェクトチーム)の共通認識を合わせられる

2.経営層(決裁権)を持つ方々との合意形成を推進出来

3.1と2があることで協業先選定もスムーズ

自分達であらかじめ要件を取りまとめておくことでキックオフ後もプロジェクト自体の方向性が逸れにくくなりますし、その枠の中で最大限のパフォーマンスを発揮するために依頼先もWeb戦略へ肉付けやコンテンツ企画に注力出来ます。

つまりRFPによって目的を持った柔軟なプロジェクトチームが構築できるといっても良いと思います。現在RFP策定や戦略策定の重要性は高まっており、2カ月~3ヵ月のプロジェクトとしてRFP策定のみを行う(Webサイトリニューアルは別プロジェクトとする)クライアント様も増えておられますし弊社へのご相談でも増えています。

 

事例の様な悩みや課題を持った方だけでなく社内のデジタル領域のプロジェクト推進に疑問を持つ方など広いご相談もお待ちしておりますので、まずはお問合せ頂ければと!

 

ご相談窓口

ご質問、ご相談などがあればフォームまたはお電話でお気軽に問い合わせください。

荻田 勝也

コンサルタント

荻田 勝也

デジタルマーケティング領域における戦略策定から施策実行までのプロジェクトマネジメントを担当。 ビジネス成果の貢献に向けて、既存の枠に捉われない新たな枠組みや仕掛けを考え・実現していきます!

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