2016年04月02日
近頃よく耳にするキーワード、「オウンドメディア」。自社でコンテンツを蓄積していくことで、自然検索による流入数アップが期待できるという理由から、多くの企業がオウンドメディアをたちあげて、運用をはじめています。しかし、中にはまだオウンドメディアを立ち上げたいけどなかなか実施できない、もしくは実施・運用しても思ったような効果を出せていない人も多いのはないでしょうか。
原因として
1.短期的な成果を生み出す事が出来ず、社内理解がなされない
2.コンテンツ展開の情報(ネタ)が準備出来ず、積極的な発信が出来ていない
3.展開しているものの、成果が出ているのか分からない
というのがあります。クライアントと話していても、このあたりのことはよく耳にします。今回はそんなお金と手間のかかるオウンドメディアを上手く展開し、成果へも繋げている企業様の事例を紹介します。
株式会社 八木研(http://www.1-butsudan.com/)商品情報サイト『仏壇のあるリビング』 記事コンテンツ展開
「現代仏壇」を開発し、都市型仏壇のトップブランドである株式会社八木研様。商品情報サイトとして『仏壇のあるリビング』を運用されています。
サイト上での検索順位の上昇を図るためのSEO施策としてキーワードの多数掲載、被リンクの設置などを実施。しかし検索エンジンから実施していたSEO施策が低い評価を受け、検索順位が圏外へ。
ユーザーが知りたい情報を踏まえ、八木研様ならではの価値ある情報をコンテンツとして発信することで自然検索による流入数アップ。サイト訪問数の増加および潜在的な顧客の獲得を図りました。
具体的には、検索キーワードの分析、ターゲットユーザー像の明確化を通じて、担当者様と弊社プロジェクトメンバーにてコンテンツの企画作成を実施。以下、その詳細を説明します。
1. サイト内検索キーワードの分析:
ログ解析によってユーザーがどんなキーワードで訪れているのかを分析し、「サイト回遊率の高いキーワード」や「コンバージョン率の高いキーワード」を選定、それに対し八木研様自身としての重点キーワードをマッチさせ、注力キーワードとして導出。
2.コラムを読んで頂きたいユーザーの可視化:
注力キーワードをもとに『どのようなユーザーがどのような課題を持っているのか』を明確化。プロジェクトメンバーでの共有のために写真と名前、年齢、普段の業務、課題などを記載した『ユーザーシート』を作成。
3.コンテンツの発信~月1回の分析によりコンテンツPDCA施策の実施:
1~2でアウトプットした分析内容をもとに月に4~5本、1記事1000字程度の記事コンテンツを発信。毎月の分析により、コンテンツ最適化のためのフィードバックを行い、次月度からのコンテンツ作成の方向性を確定。
重点キーワードによるサイトへの訪問数:リニューアル前の6倍
サイト直帰率:リニューアル前(40%)→リニューアル後(30%)へ
キーワードの検索順位:リニューアル前(圏外) →リニューアル後(10位前後)
上記改善施策の目的には、ユーザー視点でのコンテンツ充実による検索エンジンへの最適化も含まれています。しかし、そこはあくまでは途中のゴール(KPI)であり、最終目標はデジタル領域でのコンバージョン数の増加~売上増加です。SEO、コンテンツマーケティングを導入している企業のなかには検索順位の上昇、コンテンツ閲覧数の増加に重きを置いている例をよく目にしますが、本来はこの部分まで見据えることが重要です。
現在の八木研様での施策は『八木研が自分のニーズや悩みに応えてくれる企業だ』と認知してもらうための「第1フェーズ」です。今後はサイト上で集客したユーザーが資料請求(コンバージョン)してくれるための切り口でのコンテンツ発信、見込み顧客をサイト上で育成し、売上へ貢献する施策を考える第2フェーズへと進んでいく必要があります。
オウンドメディア単体を充実させる=すべてのマーケティング課題を解決するわけではありません。そのことを頭に入れておくこともまたひとつ重要なポイントです。
弊社ではオウンドメディアの導入から運用までご支援を行っています。詳細やご相談は問い合わせにて受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
コンサルタント
荻田 勝也デジタルマーケティング領域における戦略策定から施策実行までのプロジェクトマネジメントを担当。 ビジネス成果の貢献に向けて、既存の枠に捉われない新たな枠組みや仕掛けを考え・実現していきます!