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サイト改善の第一歩:目的別・基本分析術【上級ウェブ解析士が教える】

2025年04月15日

Webサイト分析をしていきたいと思っても、どこから手を付ければいいのか、どんなツールを使えばいいのか、迷ってしまう方もおられると思います。 今回は、サイト分析初心者の方でもわかりやすいように、サイト分析の基本から、見るべき項目、分析手法、おすすめツールなでを網羅的に解説いたします。 ぜひ、参考にしていただき、Webサイトの課題を発見し、改善につなげていきましょう。

サイト分析の前に:知りたい情報を確認できるようになる

Webサイト分析をしてみましょうと言っても、まずはその理由が大切です。 サイト分析をしようと思ったきっかけは何でしょうか?
たとえば、「アクセス数が伸び悩んでいる原因を知りたい」「問い合わせが少ない理由を知りたい」「公開したページが見られているか知りたい」などサイト分析をしたいと思ったきっかけがあるかと思います。
サイト分析は見るべき数値やツールが見たい内容によって変わってきます。取れる項目や指数が無限にあるためです。闇雲に施策を実行するのではなく、まずは、見てみたいデータを見れるようになり、その後、データに基づいた戦略的なアプローチを行っていくとよいでしょう。

目的別の分析:集客、CVR、顧客体験

Webサイトそのものの目的によって、サイト分析の内容も変わってきます。
集客を増やしたいのか、CVR(コンバージョン率)を改善したいのか、顧客体験を向上させたいのかなど、サイトの目的によって分析すべき項目や指標は異なります。

集客を増やしたい場合は、アクセス数、流入経路、検索キーワードなどを分析します。
どのチャネルからの流入が多いのか、どのようなキーワードで検索されているのかを把握することで、効果的な集客戦略を立てることができます。

CVRを改善したい場合は、ランディングページの改善、フォームの最適化、コンテンツの見直しなどを行います。

顧客体験を向上させたい場合は、サイトの使いやすさ、ページの表示速度、コンテンツの質などを分析します。
ユーザーがWebサイトをどのように利用しているのかを把握することで、より快適な顧客体験を提供するための改善点を見つけることができます。

このように、目的に合わせた分析を行うことで、より効果的な改善策を講じることができます。 目的を明確にし、適切な分析を行うことが、サイト分析の成功につながります。

サイト分析で見るべき主要項目

アクセス状況:PV数、UU数、セッション数

Webサイトのアクセス状況は、サイト分析における基本的な指標です。

PV数(ページビュー数)、UU数(ユニークユーザー数)、セッション数などの指標を定期的にチェックすることで、Webサイト全体のアクセス状況を把握し、サイトの人気度や成長率を測ることができます。

PV数は、Webサイト内のページが閲覧された回数を示す指標です。
UU数は、Webサイトにアクセスしたユニークなユーザー数を示す指標です。
セッション数は、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから離脱するまでの一連の行動を指します。

これらの指標を分析することで、Webサイトのどのページが人気があるのか、どのようなユーザーがWebサイトにアクセスしているのか、ユーザーはWebサイトにどれくらいの時間滞在しているのかなどを把握することができます。これらの情報は、Webサイトの改善やマーケティング戦略の立案に役立ちます。 
数値が多いか少ないか判断できない場合は、前月や昨年で比較するとなぜ多かったのか、なぜ少ないのか、更に分析していくきっかけになります。

アクセス状況の分析は、サイト分析の第一歩として非常に重要です。

流入経路:どこからユーザーが来ているのか

ユーザーがどこからWebサイトに流入しているのかを把握することは、効果的な集客戦略を立てる上で非常に重要です。

Googleなどの検索エンジンや、InstagramなどのSNS、バナー広告やブログ経由など、Webサイトへは様々な流入でユーザーがやってきます。
Google Analyticsなどのツールを活用して、流入経路を分析しましょう。
流入経路を分析することで、どのチャネルからの流入が多いのか、どのチャネルが問い合わせに貢献しているのかなどを把握することができます。
たとえば、検索エンジンからの流入が多い場合は、SEO対策を強化することで、さらなる集客効果が期待できます。SNSからの流入が多い場合は、SNSでの情報発信を強化することで、ブランド認知度を高めることができます。 また、広告からの流入が多い場合は、広告の費用対効果を分析し、改善することで、より効率的な集客が可能です。

流入経路の分析は、Webサイトの集客戦略を最適化するために不可欠です。

ユーザー行動:サイト内の動きを分析

ユーザーがWebサイト内でどのような行動をとっているのかを把握することは、サイトの使いやすさやコンテンツの改善に役立ちます。

ヒートマップツールなどを利用して、ユーザーのクリック、スクロール、マウスの動きなどを分析しましょう。ヒートマップツールを用いることで、ユーザーがWebサイトのどの部分に注目しているのかを可視化することができます。
たとえば、特定のボタンがクリックされていない場合、ボタンの位置やデザインを変更することで、クリック率を改善できる可能性があります。
また、特定のページで離脱率が高い場合、コンテンツの内容や構成を見直すことで、離脱率を下げることができるかもしれません。

ユーザーの行動を追跡することで、Webサイトの課題を発見し、改善につなげることができます。 ユーザー行動の分析は、Webサイトの改善に必要なプロセスです。

コンバージョン状況:目標達成度を測る

資料請求、お問い合わせ、商品購入など、Webサイトで設定した目標がどれだけ達成されているかを測ることは、Webサイトの成果を評価する上で非常に重要です。

ユーザーが最終的な目標を達成することを「コンバージョン(CV)」といいます。
WebサイトでCVを設定したら、CVR(コンバージョン率)などを定期的にチェックしましょう。CVR(コンバージョン率)とは、Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、CVの割合を示す指標です。CVRが高いほど、Webサイトの成果が高いと言えます。CVRを改善するためには、ランディングページの最適化、フォームの改善、コンテンツの見直しなどを行う必要があります。また、コンバージョンに至らなかったユーザーの行動を分析することで、改善点を見つけることができます。

CVの分析は、Webサイトの成果を最大化するために重要な分析です。

サイト分析に役立つツール(無料版)

サイト分析を実施するうえで外せないツールをご紹介します。どれも無料で初められるため初心者の方でも取り入れやすいツールです。

Google Analytics(グーグルアナリティクス):無料の定番ツール

サイト分析において最も有名なツールが「Google Analytics」です。

Google Analyticsは、Google社が提供しているWebサイトのアクセス状況を詳細に分析できる無料ツールです。ページの表示回数、ユーザー、セッション、流入経路、経路データ検索など、様々な指標を計測できます。 Webサイトを運営する上で、Google Analyticsは必須のツールと言えるでしょう。 Google Analyticsは、GoogleAnalyticsの公式ドキュメントや解説記事などを参考にすれば、初心者でも比較的簡単に使い始めることができます。 しかし、より高度な分析を行うためには、専門的な知識が必要となります。

Google Search Console(グーグルサーチコンソール):検索パフォーマンスを分析

Google Search Consoleは、同じくGoogle社が提供しているWebサイトの検索パフォーマンスを分析できる無料のツールです。

検索キーワード、表示回数、クリック数、掲載順位などを計測できます。Google Search Consoleを活用することで、WebサイトがGoogle検索でどのように評価されているのかを把握することができます。 たとえば、どのような検索キーワードでWebサイトが表示されているのか、どのページの掲載順位が高いのか、などを知ることができます。これらの情報は、SEOを強化するために非常に役立ちます。また、Google Search Consoleは、Webサイトのエラーを検出する機能も備えています。 エラーを修正することで、Webサイトの品質を向上させ、検索順位を上げることができます。

Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ):ヒートマップツール

Microsoft社が提供する無料のヒートマップツールです。

ユーザーがどこをクリックしたか、どのくらいスクロールしたかを計測することができます。 セッションのレコーディングが可能で、ユーザーのサイトの利用方法を映像から分析することができます。 Copilotを使ってヒートマップの要約が可能で、ヒートマップを見てもよくわからないという初心者の方は、参考になるのではないでしょうか。

サイト分析の注意点

データの正確性を確認する

サイト分析ツールを導入したら、まずデータの正確性を確認しましょう。設定ミスやトラッキングコードの不備などがあると、正確な分析結果を得ることができません。
たとえば、Google Analyticsのトラッキングコードが正しく設置されていない場合、アクセス数が正しく計測されません。また、コンバージョン目標の設定が間違っている場合、コンバージョン率が正しく計測されません。データの正確性を確認するためには、定期的にデータの検証を行うことが重要です。

また、設定ミスやトラッキングコードの不備を発見した場合は、速やかに修正する必要があります。 正確なデータに基づいて分析を行うことが、サイト分析の成功の鍵となります。

仮説を立てて分析する

ただデータを眺めるのではなく、仮説を立てて分析することが重要です。

たとえば、「特定のページからの離脱率が高いのは、コンテンツが魅力的ではないからではないか」といった仮説を立て、データを検証しましょう。
仮説を立てることで、分析の方向性が定まり、より深い洞察を得ることができます。 また、仮説を検証することで、Webサイトの課題を特定し、改善策を講じることができます。 仮説を立てる際には、Webサイトの目標やターゲットユーザーを考慮することが重要です。 また、過去のデータや経験に基づいて、仮説を立てることも有効です。

仮説思考は、サイト分析のスキルを向上させるための重要な要素です。

KPI(重要業績評価指標)を設定する

サイト分析を効果的に行うためには、まず明確な目標設定が不可欠です。

Webサイト全体の目標を設定し、そこからKPIツリーなどを用いて、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
KPIツリーとは、Webサイトの目標を達成するために必要な要素を分解し、KPIを階層的に整理する手法です。 たとえば、Webサイト全体の目標が「売上を20%向上させる」である場合、KPIツリーを用いて、売上向上に貢献するKPIを洗い出します。 具体的には、「新規顧客獲得数」「顧客単価」「リピート率」などがKPIとして考えられます。
さらに、それぞれのKPIを達成するために必要な具体的な施策を検討し、KPIツリーに落とし込んでいきます。 目標とKPIを明確にすることで、分析結果を評価しやすくなり、改善策の効果測定も容易になります。 KPIツリーを活用することで、Webサイトの目標達成に向けた道筋が明確になり、効果的なサイト分析と改善活動につながります。 目標設定は、サイト分析の成功を左右する重要な要素です。

PDCAサイクルを回す

サイト分析は一度きりではなく、継続的に行うことが重要です。

分析結果に基づいて改善策を実行し、その効果を検証し、さらに改善を重ねるというPDCAサイクルを回しましょう。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つの段階を繰り返すことで、継続的に改善を行う手法です。

サイト分析においては、
まずWebサイトの課題を特定し、改善計画を立てます(Plan)。
次に、改善策を実行します(Do)。
そして、改善策の効果を検証します(Check)。
最後に、検証結果に基づいて、さらに改善策を講じます(Act)。

PDCAサイクルを回すことで、Webサイトを継続的に改善し、成果を最大化することができます。

まとめ:サイト分析で成果を最大化

サイト分析は、Webサイトの成果を最大化するための強力なツールです。
この記事で解説した内容を参考に、サイト分析に取り組み、Webサイトの課題を発見し、改善につなげ、ビジネスの成長を実現しましょう。

サイト分析を行う際には、まず目的を明確にすることが重要です。
次に、アクセス状況、流入経路、ユーザー行動、コンバージョン状況などの主要項目を分析しましょう。
分析結果に基づいて、Webサイトの改善策を講じ、PDCAサイクルを回すことで、継続的にWebサイトを改善することができます。
サイト分析は一日にして成らず、ぜひ積極的に取り組んで行ってください。

ご相談窓口

ご質問、ご相談などがあればフォームまたはお電話でお気軽に問い合わせください。

岡田 沙矢香

WEBディレクター/上級ウェブ解析士

岡田 沙矢香

主にWEBコンテンツ企画立案〜制作ディレクション業務を行っております。ECサイトの運用経験から、サイトの数値分析と数値を元にした改善提案も行います。

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