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販促施策など企画の当事者がリサーチをする際の心構え

2016年02月24日

都合の良いリサーチ結果になっていないか

企業の販促担当者は自社商品の魅力をどう伝えるかを日々考えています。結果として自然とその商品に愛着がわいてくるもの。それゆえに「ターゲットはこの商品を必要としているはずだ(そうあってほしい)」といった心理が働きやすくなり、無意識のうちに「自分に見えている商品の姿」と「現実のターゲットの反応」との間にギャップが生じてしまう。そのギャップの存在が、現実味のない企画を生んでしまう…。担当者の方々からの相談をうけていると、そんな話をよく耳にします。
 
これは、企画の前に行うリサーチにおいても同様のことがいえます。客観的事実を得るためのリサーチとはいっても、バイアスの影響が全くないとは言い切れないのが現実だと思います。もちろん企画者の主観が介在することが一概に問題であるとは思いません。むしろ個人の主観を働かせてどのように現実を切り取るか…という考え方も間違っていないと思います。
 
しかし一方で、その視点は当然リアリティを伴ったものでなければなりません。企画者あるいは観察者は、自分の先入観によって重要な事実を見落としていないかを常に意識しておく必要があると思います。当社でもクリエイター自身がアンケートやユーザーインタビューといったリサーチを行うことがよくありますが、こうした思い込みの影響をできるだけ減らすには、どのようなアプローチが有効かを考えてみたいと思います。

“商品中心の仮説”ではなく“顧客中心の仮説”を

マーケティングの基本は、顧客は誰なのかを決めること。その意味で、ターゲットを明確にすることは最も重要なポイントですが、ともすれば、ターゲット=「その商品を必要としているはずの人」あるいは「機会さえ与えれば商品を購入してくれる人」という売り手側の前提、希望的観測が入り込みやすい一面もあります。それは「商品を購入すること」を顧客のゴールに設定してしまっているからであり、一つ間違えるとリアリティの希薄な、あり得ない顧客像が出来上がってしまいます。こうならないために、リサーチや分析の中に、たとえば次のように当初仮説に対して反証的に検証する視点も取り入れて実践するようにしています。
 
1. 商品から見た「ターゲットと顧客ニーズ」に対して、その周辺の「無反応な人達」にも焦点を当て、なぜそういう反応なのかを検証する
→ 存在を知らないから? 代替品で十分だと思っているから?自分にとって重要な意味を持たないから? 顧客の側から、商品を取り巻く状況のボトルネックが明確になる
 
2. 「商品が前提としている顧客ニーズ」と「大部分の無反応の理由」を比較し、蓋然性(真であるか否かの、確実性の度合)や重要度を検討する
 
3. 「商品と顧客の関係」についての仮説を更新する。

 
先日、あるインテリアメーカーさんの商材の販促企画の案件で、この視点を特に意識した企画で提案に臨んだところ、大変喜んでいただけました(今回も、実際に店舗に足を運んで下調べをしました)。簡単に言うと「大部分の人にはこの商品を選ぶべき理由が成立しにくいが、唯一需要が見込めるのはこういう状況にある人…だからその一点に特化して、その人たちに伝わるメッセージに変えるべきだ」という論旨で提案を組み立てたのです。今から思うに「チャンスは非常に限られている」という、ある意味ではクライアントの商品に対してシビアな見立てを持てたことがポイントだった気がします。
 
これとは逆にチャンスを広く捉えた提案も可能だったかもしれませんが、今回こういう仮説を持つことによって「今、何を解決すべきなのか」についてもう一段階明確に絞り込めたのは確かで、仮説のリアリティを意識してみた効果があったかな…と振り返っています。皆さんもリサーチや企画を行う際には、ぜひ意識してみていただければと思います。
 
当社にはアートディレクターやデザイナー、コピーライターといったクリエイティブスタッフが多数在籍していますが、いずれのスタッフも、マーケティングリサーチの手法も含めた様々なアプローチで「本当の意味でのユーザー視点」を追求しています。リサーチとクリエイティブをそれぞれを分断して考えるのではなく一体の取り組みとして推進していくことで、よりパフォーマンスの高いアウトプットの提供も可能になります。マーケティングリサーチの知見を活かした根拠ある販促施策の開発など、ご興味のある方はぜひご相談ください。

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奥 耕平

コピーライター

奥 耕平

「言葉による可視化」を私の仕事と考えています。企業や商品のブランディング、様々な企画やプロジェクトのキャッチフレーズなど、コミュニケーション全般のコンセプトメイキングが得意です。形にならない思いをアウトプットしたい、思いはあるけどうまく表現する言葉が見つからない、そんな企業様の課題解決のお力にきっとなれると思います。 第38回日本BtoB広告賞「製品カタログ単品の部」銀賞 第39回日本BtoB広告賞「製品カタログ総合の部」銅賞 「製品カタログ単品の部」銅賞