2024年05月08日
CX(カスタマーエクスペリエンス)は、現代のビジネスにおいて不可欠な要素となっています。
特にCX先進企業は、CXを最大の差別化要因として取り入れ、顧客の期待を超える価値を提供し続けています。
今回は企業がどのようにCXを活用し、市場でのリーダーシップを築いているのか、その事例を紹介します。
Monzo銀行は、2015年にイギリスで創業した際、デジタルバンクという新しい形態での銀行業務を提供し始めました。当時の市場にはデジタルバンクはほとんど存在せず、Monzo銀行は新しい試みとして注目を集めています。
Monzo銀行では、立ち上げ当初からプロダクトロードマップを公開し、顧客とのオープンなコミュニケーションを取りながら進める開発を行っています。このスタイルは、ブランドや信頼性を育てることに大きく貢献しました。
コミュニティを通じて提案される機能には顧客視点の面白いアイデアが並んでいます。
その中でも人気がある機能が「酔っぱらいモード」です。このモードは一晩の限度額を設定し、それを超えるとカードはしばらくの間ブロックされる仕組みです。金曜日の夜に1週間の疲れを吹き飛ばすかのように、ついついカードで買い物をしすぎてしまった経験のある方は少なくないのでは?
カードが使えない環境を作ってしまうという発想は、使い所を間違えるとクレームに繋がりかねないですが、顧客の状況を理解した上で適切なタイミングで機能するサービスになればむしろ歓迎されるものになりそうです。
こうした顧客視点でのサービスの提供を続けたことで、2023年には個人口座の顧客満足度ランキングでトップになりました。また、法人口座の顧客満足度ランキングでも1位を獲得しています。
2022年4月、IHGでは顧客体験をさらに向上させるべく、ロイヤリティプログラムを一新。「IHGワンリワーズ」とともに新アプリ「IHG One Rewards」を導入し、18ブランド、6000以上のホテル滞在管理がこの1つのアプリで可能となりました。
アプリは使いやすさを追求し、デジタルコンシェルジュ、デジタルチェックイン・チェックアウトなど多岐にわたる機能を持つことから、iOSアプリストアで4.9の高評価を受けています。
さらに、2023年6月には「IHG Wi-Fiオートコネクト」を開始。これにより、ゲストはアプリでの一度の設定で、全世界5000以上のIHGホテルにて、端末が自動的にWi-Fiに接続される革新的な体験を得られるようになりました。その結果として、現在では月間530万件以上のWi-Fiログインを記録しています。
ホテル滞在時、部屋に入ったあと「Wi-fiのIDとパスワードはどこに書いてあるんだっけ」と案内の中から情報を探して、打ち慣れていない複雑な文字列を入力する・・・
ちょっとしたことですが、意外と手間だった作業がなくなると「このホテルは顧客のことを理解してくれているな」と思わず感じてしまいますね。
このようにIHGでは、デジタル体験と実際の滞在をシームレスに結びつけることで、顧客の快適さと利便性を極限まで追求しています。これにより、顧客ロイヤルティの強化と、高い評価を得ることに成功しています。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した2社はどちらも「顧客」をサービスの中心に据えて、CXによる差別化を図っていました。そして企業全体でCX向上に取り組むことで、一貫して優れた顧客経験を提供することを可能にしています。
みなさんの企業では顧客経験に関するどのような取り組みを行っていますか?
直接顧客に接することがない部門でも、巡り巡って顧客経験に関与しているという意識を持つこともCX向上には重要なポイントです。ぜひ一度、考える機会を設けてみてください。
本ブログがみなさまのCX向上に少しでも役立っていましたら幸いです。
※本ブログは弊社グループ企業の株式会社mctの記事を元に制作しております